スマートフォンユーザーの悩みの種となっているのが、毎月の高額な利用料金だ。ここへ来て、携帯キャリアからも音声通話を定額にする新プランなどが発表されているが、音声通話をあまり利用しないユーザーにとってはメリットを見出しづらく、魅力を感じないという意見も多いかもしれない。そこで、スマートフォンの利用料金を安く抑えるために検討したいのが、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する格安SIMサービスだ。

税抜で月額680円(以下、金額はすべて税抜)から利用できる「U-mobile*d」をはじめとして、様々な格安SIMサービスが提供されているが、これらのサービスでは格安の月額料金でモバイルデータ通信を利用できるのが特長。ただし、キャリアでスマートフォンを契約する場合とは異なり、SIMカードのみが提供され、端末は自身で用意する必要がある。そのため、格安SIMサービスを使い始めるのにハードルを高く感じている人もいるだろう。

本稿では、U-mobile*dのSIMカードを例に、格安SIMサービスがどんな端末と一緒に使うことができ、キャリアのスマートフォンと比べてどのようなメリットがあるのかを紹介していきたい。

格安SIMカード「U-mobile*d」を使えるスマートフォンとは?

月額680円から利用できる格安SIMサービス「U-mobile*d」

まずは、格安SIMサービスのU-mobile*dについて、簡単におさらいしておこう。U-mobile*dは、U-NEXTが提供するMVNO方式のモバイルデータ通信サービス。NTTドコモのXi(クロッシィ)回線に対応し、対象エリア内では受信時最大112.5Mbps(一部地域のみ最大150Mbps)の高速通信を利用可能。また、ドコモのFOMA回線にも対応しており、全国の幅広いエリアで通信を利用できる。

U-mobile*dの「ダブルフィックスプラン」は、2段階定額制の料金プランで、月間通信量が1GBまでは月額680円、1GB超では月額1,980円で利用可能。なお、月間通信量が3GBを超えると、送受信の通信速度が最大128kbpsに制限される。また、初期費用として、登録事務手数料3,000円が必要となる。

月額680円からモバイルデータ通信を利用できるのがU-mobile*dの魅力であり、キャリアのパケット定額料金と比べてかなり格安だ。また、マイナビニュースの別稿では、U-mobile*dと他社の格安SIMサービスの比較を行っているが、月間1GB程度の高速通信を利用できる格安SIMサービスの中でも、U-mobile*dは最安となっている。

先述の通り、U-mobile*dなどの格安SIMサービスでは、SIMカードのみが提供され、端末は自身で用意する必要がある。利用できる端末は、SIMフリーのスマートフォンやタブレット、またはドコモのスマートフォンやタブレット。たとえば、家族が使っていたドコモの中古スマートフォンなどが余っていれば、その端末と組み合わせて使うこともできる。 なお、中古スマートフォンの活用については、すでに別稿でも解説しているので、本稿では、とくにSIMフリー端末とU-mobile*dを組み合わせて使う方法について見ていきたい。

格安SIMと一緒に使えるSIMフリー端末とは?

そもそもSIMフリー端末とは、"SIMロック"がかかっていないスマートフォンやタブレットのこと。一般的に、キャリアが販売しているスマートフォンなどの場合、"SIMロック"により、そのキャリアのSIMカードしか利用できず、たとえば、ドコモのSIMカードをauのスマートフォンに装着しても認識されないようになっている。一方、SIMフリー端末の場合、形状や通信方式などが合っているSIMカードであれば、装着して通信を行うことが可能だ。

ちなみに、U-mobile*dのSIMカードの場合、ドコモのXi回線に対応しているため、ドコモのスマートフォンでも通信を利用できるが、auやソフトバンクのスマートフォンでは、"SIMロック"によって利用することができない。

SIMフリーのスマートフォンやタブレットでは、U-mobile*dのSIMカードを利用できるのはもちろん、たとえば、海外旅行などに行った際に、現地のキャリアのSIMカードを装着し、低料金で通信を利用できるといったメリットもある。

SIMフリー端末としては、Googleが販売するAndroidスマートフォン「Nexus 5」、Androidタブレット「Nexus 7」などがある。Nexus 5は、5インチディスプレイを搭載したスマートフォンで、16GBモデルの場合、価格は37,904円。また、Nexus 7は、7インチディスプレイを搭載したタブレットで、LTE対応の32GBモデルの場合、価格は同様で37,904円となっている。

U-mobile*dと一緒に利用すれば、月額料金を抑えられるため、十分元は取れると言えるものの、キャリアでスマートフォンを契約する場合、端末価格が実質0円などとなっていることも多く、SIMフリー端末を購入する際に最初に約4万円かかるのは、やや割高に感じられるかもしれない。

SIMフリースマホ「freetel」なら、初期費用も格安に

初期費用を抑えたい人におすすめなのが、SIMフリースマートフォンの「feetel」だ。freetelは、プラスワン・マーケティングが販売する低価格のSIMフリーAndroidスマートフォン。3.5インチディスプレイや1GHzプロセッサを搭載し、OSはAndroid 4.1.2(Jelly Bean)を採用している。3G/GSMの通信方式に対応し、U-mobile*dのSIMカードを装着すれば、FOMAの3G回線で通信を行える。

freetelの魅力は、何よりもSIMフリースマートフォンながら低価格で購入できる点で、公式通販サイトでの販売価格は12,190円(税込13,165円)。

加えて同サイトでは、freetelとU-mobile*dのSIMカードのセット販売も行っており、現在では、4月20日までの期間限定でセット価格12,500円(税込13,500円)で購入が可能。なお、発送は4月21日以降となる。セットで購入した場合、U-mobile*dの登録事務手数料3,000円が不要となるため、freetelとU-mobile*dのSIMカードをお得に購入し、利用を開始することができる。さらに、U-mobile*dを使うための「APN設定」といわれる初期設定がデフォルトでされているのも魅力のひとつである。

2年間の料金をキャリアのスマホと比べてみた

それでは、freetelとU-mobile*dのSIMカードを一緒に利用した場合、キャリアでスマートフォンを契約したときよりも、どのくらい利用料金が安くなるのかを確認してみよう。 ここでは例として、ドコモのAndroidスマートフォン「Xperia Z1 f SO-02F」を新規購入し、2年間利用した場合の料金を計算してみる。まず月額料金は、基本プランの「タイプXi にねん」が743円、ISP料金の「spモード」が300円、パケット定額サービスで月間3GBの通信を利用できる「Xiパケ・ホーダイ ライト」を契約した場合4,700円で、合計は月額5,743円となる。

24カ月の利用料金は合計137,832円となり、さらに、ドコモオンラインショップで購入した場合の端末の実質負担額13,600円を加えて、合計151,432円が2年間トータルの料金となっている。

一方、U-mobile*dの利用料金は、ダブルフィックスプランでは、月間通信量が1GBまでは月額680円、1GB超では月額1,980円となっているため、月額680円で使い続けた場合、24カ月の利用料金の合計はわずか16,320円。また、月額1,980円で使い続けた場合でも、24カ月分の利用料金は合計で47,520円となる。これに、freetelとU-mobile*dのSIMカードをセット購入した場合の価格12,500円を加えて、合計28,820円から60,020円が2年間トータルの料金だ。

仮に、月間通信量が毎月1GB超となり、月額1,980円で使い続けた場合でも、キャリアのスマートフォンと比べて、2年間で約9万円も安くなる。さらに、自宅では固定回線のWi-Fiに接続するなどして通信量を抑え、月額680円の最低料金で運用すれば、10万円以上の節約も可能になる。

また、キャリアのスマートフォンでは2年契約が基本となっており、途中で解約するには解約手数料が必要となるが、U-mobile*dの場合、契約期間や最低利用期間もないため、安心して使い始めることができるのも特長。

なお、U-mobile*dのSIMカードは、データ通信専用となっているため、090・080番号を使った音声通話はできない。このあたりは、「LINE」や「カカオトーク」などの無料通話アプリや、050IP電話アプリなどを活用するなどの工夫で解決できるだろう。多少の割り切りは必要となるが、スマートフォンの利用料金を節約したい人にとっては、freetelとU-mobile*dの組み合わせは有力な選択肢になるだろう。

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格安SIMサービス「U-mobile*d」をSIMフリー端末で利用する方法について紹介してきた。月額680円からという利用料金の安さがU-mobile*dの魅力だが、さらに低価格のSIMフリースマートフォン「feetel」と組み合わせれば、初期費用も抑えて手軽に利用できる。freetelとU-mobile*dのセット販売も行われているので、スマートフォンを手軽かつ格安に始めたい人は、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。