第7回のテーマは「NR」、「リスケ」など、時間や場所にまつわる複数の用語

どんな業界でも、「業界用語」というものは存在する。業界の外の人からすると、何を言っているのかわからないことが多いものだが、一度覚えるとこれがなかなか(いろんな意味で)便利なので、ぜひ使いこなしたいものだ。この「クリエイティブ語講座」では、主にクリエイター界隈で使われている"クリエイティブ用語"を、デザイナーである筆者が例を交えながら解説していく。

今回は、社内のコミュニケーションでよく使われる業界用語。どの業界でも使うものだと思っていたらそうでもないらしく…?時間や場所にまつわる用語なのでしっかり覚えておこう。

■これまでの記事
【レポート】明日から使ってみたくなるクリエイティブ語講座 ~第1回「シズル感」~
【レポート】明日から使ってみたくなるクリエイティブ語講座 ~第2回「若返り」等~
【レポート】明日から使ってみたくなるクリエイティブ語講座 ~第3回「仁義を切る」等~
【レポート】明日から使ってみたくなるクリエイティブ語講座 ~第4回「コンペ」等~
【レポート】明日から使ってみたくなるクリエイティブ語講座 ~第5回「ラフ」等~
【レポート】明日から使ってみたくなるクリエイティブ語講座 ~第6回「色校」等~

今回の例文

<社内コミュニケーション編>
(クリ:クリエイター)

クリA「あれ、Bさんは?」
クリC「今日はクライアントのところからロケハン行って、そのままNRだよ」
クリA「マジですか! 今日17時から社内ミーティングじゃ…」
クリC「あ、それリスケになったよ。明日の18時から」
クリA「ええー! 僕ダブルブッキングしてますよ!」

例文の翻訳

クリA「あれ、Bさんは?」
クリC「今日はクライアントのところからロケハン行って、そのまま直帰だよ」
クリA「マジですか! 今日17時からミーティングあるのに!」
クリC「あ、それ予定変更になったよ。明日の18時から」
クリA「ええー! 俺その日、合コンなのに!」

用語解説

[NR]

「NR」=「No Return」(帰社しない)の略。このコトバの不思議なところは「NR」は「エヌアール」でも「ノーリターン」でもなく「「直帰(ちょっき)」と読むところ。…え? 私だけ? でも「エヌアール」とか「ノーリターン」って読むのも……。

読み方はさておき、ホワイトボードにこの単語が(控えめに)書かれていたら、その人は今日もう会社に戻ってこないということ。「は? NR? 13時からの予定で?」などと思っても、深いことはあれこれ追求せずにサラリと大人の対応で受け入れましょう。ちなみに「朝から客先に立ち寄る」場合はこれといった業界用語はなく、普通に「直行」といいます。なぜ?

[ロケハン]

ロケーションハンティングのこと。事前に撮影や取材をする予定の場所に出向き、その場の感触や必要な物などを事前に確認すること。当日より自由度も高く、なんだかんだで楽しい場合が多いので、結果大抵NRとなる。

[リスケ]

「リ・スケジュール」の略。スケジュールを組みなおすこと。多くの場合、延期を意味する。

[ダブルブッキング]

ブック=「book(予約する)」の意。その頭に「ダブル」がついた和製英語で「ふたつの予定がかぶること」を意味する。予定がかぶった場合は、最初の予定を優先するのが大人のマナー。しかし、先約がプライベートの予定の場合、悲しいかなそうならない場合も多いのが社会のマナーである。

時間や場所にまつわる用語は、社員が外から伝言の電話をかけてくる際にも頻繁に使われる。伝達ミスが大きな事故につながることもあるので、用語は正確に把握し、わからなければ気後れすることなく聞き返し確認しよう。次回はいよいよ最終回!