「個人的な経験として、歯医者で嫌な思いをしたことがあった。それを皆に警告したかったしのです。社会にとってマイナスであることを共有するのには、消費者を保護する意味もあるんです。逆にすばらしいのに小さな店なので誰も知らないということもあるし、Yelpを通してそういった店が繁盛したという話もあります」(ストップルマンCEO)

それぞれの企業はどのようにして生まれ、どのようにして成功したのかについて語られた

社会の中にある無数の"ビジネス"に光を当て、口コミという手段で良い面と悪い面の両方をあぶり出していくYelp。対するPinterestは、ソーシャルであると同時に、自分自身を"発見"するためのツールでもある。

「人間の本質はクリエイティブなものだと思っています。多くの人はアーティストにはなりませんが、好奇心があり、コレクションが好きです。そうしたクリエイティビティを活かしていきたいですね。コンシューマプロダクトで成功しているのは、シンプルで人間的なものなのです」(シルバーマンCEO)

日本を含む世界各国で展開しているYelpとPinterest。特にYelpはこの日の朝、日本国内で提供が開始されたばかりだ。国内にもライバルは多い中、どのようにユーザーを獲得していくのか。

Yelpはこの日、日本版が正式にスタートした

「Yelpは一つの都市ごとに展開しています。実際に住んでいる人にとって使いやすくするためには長く時間をかけて都市研究を進める必要があります。たとえはニューヨーカーに受け入れてもらうためには5年かかりました。ネットの世界では亀の歩みでしょうけど、ローカルなコンテンツは一夜にして成功することはできないのです。アジアでの最初の国はシンガポールでした。これは言語が英語だったからです。日本が魅力的な市場であることはわかっていたのですが、漢字検索の問題がありました」(ストップルマンCEO)。

そうやって時間をかけて準備を整え、日本でのリリースにこぎつけたYelpだが、言語以外のハードルもあったという。

「日本はユニークな文化を持っているとアメリカ企業は思っています。私も、他の起業家に『日本はアメリカとは違う』と教えられてきました。たとえばFacebookですが、これは日本では成功しないと言われていたんです」(ストップルマンCEO)