新経済連盟が主催する新経済サミット2014が4月9日、10日の2日間にわたって開催され、国内外のIT業界から多数のゲストスピーカーが集まった。

初日の午後には「新しいソーシャルネットワークがもたらすイノベーション」と題したセッションが行われ、Pinterest共同創業者・CEOのベン・シルバーマン氏、Yelp共同創業者兼CEOのジェレミー・ストップルマン氏らが登壇。サービスの現状や立ち上げるまでのエピソード、今後の展望などについて対談を行った。モデレーターはThe Grommet共同創業者・CEOのジュールズ・ピエリ氏が務めた。

左からThe Grommet共同創業者・CEOのジュールズ・ピエリ氏、Pinterest共同創業者・CEOのベン・シルバーマン氏、Yelp共同創業者兼CEOのジェレミー・ストップルマン氏

現在、世界中で大ヒットしているサービスのCEOとして多忙な日々を送っているシルバーマンCEOとストップルマンCEOだが、起業したきっかけはそれぞれに異なっている。「起業することになったのは偶然だった」と語るのはシルバーマンCEOだ。もともと医師の家系に生まれた彼に家族が期待していたことは、やはり医師になることだったという。しかし、シルバーマンCEOは医学ではなくテクノロジーについて学びたいと考えており、Googleを経てPinterestを創業することになる。

「起業したいと考えていたのではなく、私が考えていたのは製品のことでした。世界中の人に製品を楽しんで欲しいと思ったのです」(シルバーマンCEO)

一方のストップルマンCEOはシリコンバレーでPayPalに入社。そのとき彼はまだ22歳だったが、20代後半ですでに起業家として成功していた同業者に刺激を受け、いつか起業したいと考えたのだという。シルバーマンCEOとは違い、ストップルマンCEOは明確に起業の意思を持っていたのだ。

「しかし、2004年の段階ではソーシャルはまだ社会現象にはなっていませんでした。かなりの洞察力だったのでは?」と尋ねるモデレーターのピエリCEOに、ストップルマンCEOは「偶然でした」と答えながらも、「当時、ネットバブルが崩壊し、私たちは新しいアイデアを模索していました。新聞の世界はネットの影響を受け、求人広告で儲けることができなくなっていました。では従来型のビジネスで他にネットの影響を受けるのは何か。それがイエローページ(日本でいうタウンページ)だったのです」(ストップルマンCEO)

店舗などの連絡先を調べるためのイエローページをネットに持ってくる。そこに口コミを加えたらどうか。ストップルマンCEOはそう考え、そしてYelpがスタートしたのだった。