東京都・渋谷の通称キャットストリートに、ちょっと変わったアパレルのセレクトショップがオープンした。「色」で洋服を提案するお店「IROYA(いろや)」だ。

IROYAでは、毎月1色の決められたマンスリーカラーを基調とする服やアイテムを販売する。3月の色は「白」で、店内は真っ白な商品で埋め尽くされた。4月のカラーは「青」。毎月1日に商品は総入れ替えされ、店舗の内装の一部もその月の色に変わる。

縦に並べられた3面ディスプレイが印象的な店舗

3月の色である「白」に統一され、真っ白な商品で埋め尽くされた店内

実は、このお店の演出に、東京駅のプロジェクションマッピング「TOKYO STATION VISION」や、歌手のレディー・ガガさんが来日した際に行われたプロモーション「GAGA DOLL」のデバイスを手がけたことで知られるクリエイティブチーム「aircord」が協力している。

店内の一角には、iPadとカメラとディスプレイを組み合わせた装置があり、IROYAを訪れた人が遊べるインタラクションスペースになっている。ディスプレイの前に立ち、専用のiPadアプリで自分の全身写真を撮影する。すると、自分がいま着ている洋服や髪などの色が最大6色まで自動で抽出され、その色が組み合わさった幾何学模様が生成される。

aircordが手がけた店内のインタラクション装置

アパレルのセレクトショップにこのような先端的なデジタルの仕掛けを持ち込んだ理由について、同店を運営するブラックの代表大野氏は、「店舗の意義は、そのブランドの世界観を体現するチャネルだけにとどまらないのでは、と考えたことがきっかけ。お客様にとって来店すること、それ自体がひとつの体験となり、それをカタチに残せないかと考えた」という。

テーマパークなどに遊びにいくと似たような写真撮影のアトラクションがあるが、その要領で来店促進にもつながればと話す。筆者も実際に体験してみたが、あらためて自分が好んで着ている洋服の色を再認識し、また色の楽しさに触れた気がした。