流星号、応答せよ!
説明会の最後に、同社が現在開発中の腕時計型ウェアラブル端末(の試作機)が報道陣に公開された。2年ほど前に着想し、1年ほど前からプロジェクトチームが始動したという。端末に3G/Wi-Fiのアンテナを組み込んでおり、スマートフォンを介さずにインターネット通信が行えるのが特長だ。ただ、搭載するAndroid OSが「やっと動いた段階」(古関氏)で、提供開始はまだ先になる見込み。料金や、どのようなサービスを乗せるかについても白紙の状態だという。
腕時計型のウェアラブル端末を発案した根底には、古関社長が少年の頃に見ていたとあるアニメの影響があるとのこと。古関社長は「少年ジェッターという作品で、主人公が腕に付けた機器に「流星号、応答せよ!」と叫ぶ場面があるんです。それにずっと憧れていた。ようやく、それが技術的に実現できる時代になりつつある」と目を輝かせた。
腕時計の端末が3G回線につながることで、ビッグローブが思い描く様々なサービスのアイデアが実現できるという。「今後、3か月を目処に、試作機をモニターの皆様に提供する。それをもとに、具体的にどのようなサービスが展開できるか検証していきたい。最短で半年。気持ち的には、年内にも商品として、一般の皆様に届けられれば」と話した。
質疑応答で、記者団に「ウェアラブル端末を開発した狙い」について改めて問われると、古関社長は「ビッグローブでは格安のSIM提供プランを展開してはいるが、大手キャリアとの価格競争を望んでいるわけではない。提供中のサービスに他社と差別化できる要素がないままに価格競争に陥れば、すごく辛い事業になる」とし、まずは展開するサービスで他社との差異化を図らなければ生き残れない現状を説明した。その上で「ウェアラブル端末を出すだけでなく、そこにキラーサービスを乗っけていく。それをビッグローブのクラウド上で実現する。All in Oneでお客様に端末とサービスを提供することで、単なる価格競争に陥らずに済む」という考えを示した。
(記事提供: AndroWire編集部)