国内最大級のモーターサイクルイベント「第41回 東京モーターサイクルショー」が、3日間にわたり東京ビッグサイトで開催された。今年は合計122のモーターサイクル関連企業・団体が出展し、11万3,800人もの来場者でにぎわったという。今回は同ショーで出展された、国内外の車両メーカーが展示した注目のマシンを振り返りたい。

力強いフロントマッシブスタイリングと、ライダーと車両の一体感を重視したコックピットポジションが目を引くホンダ「NM4」。リアデザインの異なる2タイプが展示された

SFアニメに登場しそうなホンダ「NM4」

ホンダブースでは、大阪モーターサイクルショーで世界初公開した「NM4」を、市販予定車(!)として参考出品。「近未来」と「COOL」をテーマに開発された750ccの大型二輪は、まるでSFアニメに出てきそうなスタイリングで来場者の目を奪っていた。これまでのモーターサイクルとは一線を画すそのルックスは、バイクへの関心が薄い層や若い世代にもアピールし、新しいファンを獲得する可能性を秘めているのではないだろうか?

同じホンダブースで、ゲストの笑顔を誘っていたのが、「モンキー・くまモン バージョン」だった。ご存じ熊本県のPRマスコットキャラクター「くまモン」をイメージしたユニークな仕様は、もともとかわいらしさと趣味性の高さを持ち味とする50ccレジャーバイク「モンキー」にぴったり。ホンダの二輪車生産拠点が熊本にあるという両者の"縁"も、バックストーリーとして興味を引くものだった。

「くまモン」のほっぺを連想させる赤いホイールがユーモラスな「モンキー・くまモン バージョン」。燃料タンクやメインキーに、「くまモン」のイラストもあしらわれている

「隼」「250」「8耐」国内各社のニュースなモデルを紹介

スズキブースでは、300km/h超の最高速を誇るメガスポーツの日本仕様車「隼(ハヤブサ)」が注目の的に。同車は欧州仕様と同様の最高出力197ps、最大トルク15.8kgf-mを発揮する1,340ccエンジンを搭載。国内の二輪車でf初めてETC車載器を標準装備するなど、性能も装備もさすがといったところだ。すでに販売が始まっているが、実際に目にするのは今回が初めてというライダーも多い様子だった。

ヤマハは、新開発3気筒エンジンを搭載する「MT-09」や、3輪バイクの「TRICITY Concept」など、話題性のあるモデルをそろえていた。中でも参考出品された「R25」は、昨年の東京モーターショーでも披露されていたものの、これをベースとした市販車両が年内に発売予定と告知され、ファンを喜ばせていた。活況の250ccロードスポーツというジャンルに、選択肢がまたひとつ加わることになる。

これまで北米や欧州を中心に世界中で支持されてきた「GSX1300Rハヤブサ」の国内仕様車「隼(ハヤブサ)」。スズキブースでは全3色が並べられ、自由にまたがれるようになっていた

年内発売が告知されたヤマハ「R25」。カワサキ「ニンジャ250」、ホンダ「CBR250R」、スズキ「GSR250」などが人気の250ccロードスポーツに、ついにヤマハが名乗りをあげる

カワサキワークス「チームグリーン」の8耐参戦マシンは、全日本ロードレース選手権用「ニンジャZX-10R」にヘッドライトを装着。燃料タンクにも変更を加えているとのこと

スズキは2012年以降、参戦を休止していたMotoGPに、2015年から復帰予定。先日、鈴鹿サーキットのイベントでデモ走行を行った「モトGP参戦開発車両」を展示した

会場では、モータースポーツ関連の展示も目立った。カワサキは、「8耐」こと鈴鹿8時間耐久ロードレースへ、10数年ぶりにワークス体制で復帰することを表明。参戦マシンとして、全日本ロードレース選手権用の「ニンジャZX-10R」をベースとした耐久レース仕様車を展示していた。また、スズキは2015年の「MotoGP」復帰を目指し、「モトGP参戦開発車両」を参考出品。ヤマハは今年のMotoGPを戦う最新型「YZR-M1」を展示した。

ハーレー、BMW……海外メーカーの出展も盛況

海外メーカーの出展も盛況で、ハーレーダビッドソンやインディアン・モーターサイクルをはじめとする北米勢、BMWモトラッドやドゥカティなどのヨーロッパ勢、そしてアジアのKYMCOなどを中心に存在感を示していた。

ハーレーダビッドソン「スーパーロー 1200T」。シート高に加え、伸縮性のあるリデュースドリーチ・ツーアップツーリングシートの採用もあり、足つき性がよいとのこと

BMWモトラッド「R nineT」。プライベートガレージを連想させる展示には、「カスタムフロントシート」や「アルミニウム製リヤセクションカバー」などのカスタムパーツが

ドゥカティの新型「モンスター 1200」と「モンスター 1200S」。昨年11月の「EICMA(ミラノ国際モーターサイクルショー)」で発表され、「最も美しいバイク」に選出されたモデルだ

とくに印象的だったのは、シート高を低くし、コンパクトなライディングポジションを実現したハーレーダビットソン「スーパーロー 1200T」。小柄な日本人でも乗りやすく、様になるハーレーという感想だ。その他、BMWモトラッドの「R nineT」、ドゥカティの「モンスター 1200」などの最新モデルも人気を集めていた。