光の差し込むダイニング

「サービス付き高齢者向け住宅」、名前は聞いたことがあっても暮らしをイメージできる人は多くないのではないだろうか。そこで、東急不動産が運営する「グランクレール成城」を訪れ、生活空間を見学してきた。

ケアレジデンスを併設

落ち着いたラウンジ

グランクレール成城は、「シニアレジデンス」と呼ばれるサービス付き高齢者向け住宅と、「ケアレジデンス」と呼ばれる介護付き有料老人ホームを併設した住居。今回は、担当者からお話を伺うとともに、シニアレジデンスの見学をしてきた。

シニアレジデンスは、自立型の高齢者住宅だ。食事や医療、介護などのサポートを活用しながら自立した生活を送ることができる。入居者の過ごし方も、外出は少なめという人から日中はいつも外に出ているという人まで、多様とのこと。

食事のサポートとしては、各居室にキッチンはあるものの、3食予約なしで利用できる食事提供サービスを展開。医療面では、看護師の24時間対応や館内クリニックの併設(平日午前中)を提供している。

また、軽度~中度までの介護はシニアレジデンスに暮らしたままで訪問介護を受けられ、重度の介護が必要になった場合には、ケアレジデンスへの移り住みができるようになっている。なお、シニアレジデンスとケアレジデンスは導線が交わらないよう、一つ屋根の下でありながらも完全に分けられていた。

シアタールームに大浴場も

実際に建物の中を案内していただいた。まずは共用部を見学。1階のラウンジはゆったりとした空間。そのほか1階には、館内クリニックや食事用のダイニングなどがある。

地下1階にはティーラウンジやライブラリーがあり、午後にはコーヒーを片手に談笑する女性たちの姿が見られるという。定期的に映画上映を行うシアタールームやイベントなどを行う多目的室、広々とした大浴場、トランクルームもあった。大浴場ではカードキーで入退室を管理しており、入浴時間が1時間を越える場合にはスタッフに知らせが届く。

ティーラウンジ横には吹き抜けが

座席が広々したシアタールーム

大浴場入り口の様子

トランクルームで収納を補える

「見守り」がある居室

いよいよ居室の中へ。最初に見学したのはワンルーム(40平方メートル台)の部屋だ。ワンルームとはいえ部屋の真ん中に仕切りがあるため、生活空間と寝室部分を区切ることができる。車椅子で動き回ることができるよう、部屋の幅が広めになっていた。もちろん、バリアフリーである。

車椅子が通れる広さに

浴室には手すりなども

続いて1LDK(50平方メートル台)の部屋へ。2人で住むこともできる部屋というだけあって、十分な余裕が感じられた。

1LDKのリビング

車椅子に対応したキッチン

最後は2LDK(70平方メートル台)の部屋を見学。畳の間もあり、かなり広々とした印象があった。

明るい居室

畳の間もある

居室には「見守り」のシステムとして、水の使用状況で安否を確認できるセンサー付きの水栓や、緊急通報ボタンが付いている。天井にはマイクとスピーカーがあるため、通報後に状況を伝えることもできる。

「子供に面倒を見させたくない」

東急イーライフデザイン グランクレール入居相談室の担当者によると、入居の決め手の一つとして、「子供に介護の面倒を見させたくない、世話をかけたくない」というものがよく挙がるそうだ。そのほかには、夫婦で男性(女性より年上)が病気になったことをきっかけに将来が心配になったというパターンや、女性一人で不安を感じているパターン、子供がいない人の入居もあるとのこと。しかし、入居の理由は多様なようだ。

検討を始めてから入居するまでの期間も、他のマンションに比べると長いという。グランクレールシリーズでの入居年齢は平均で80歳。

グランクレール成城の場所は東京都世田谷区成城8丁目20-1。グランクレールシリーズについての詳細は東急不動産Webサイトで確認できる。なお、記事内で使用している写真の家具はモデルルーム用となっている。

実際に見学することで、住み心地や生活感を現実的に想像することができた。「高齢者住宅に関心はあるけれど身近ではない」という人は、情報収集から始め、興味を持ったら足を運んでみると新たな発見があるかもしれない。