消費増税が目前に迫っている。家計の見直しに頭を悩ませている人にお勧めしたいのが、生活の質を落とさず賢く節約する「替え活」だ。今回は「替え活」を実行してスマートフォンの高額な通信費を安くする"おトク"な方法を紹介する。

消費増税で7万以上の負担増に

消費税が5%から8%へ引き上げられるのに伴い、食費などの基本的な生活費のみならず、「電気・ガス」「電話代」「公共交通機関」といった公共料金も軒並みアップする。ある調査によると、今回の増税により、年収400~500万円の世帯では年間7万8,869円、500~600万円の世帯では、年間8万7,591円の負担増が予想されている。

年収階層別の消費税負担額(みずほ総研試算)

さらに2015年10月には消費税率10%への引き上げが予定されているほか、2017年度まで毎年、厚生年金もアップされる(毎年0.354%増)。出費が増える一方となる中、いかに家計を見直し、生活費を節約できるかが、今後の生活にとって重要な課題となってくるといえよう。

節約アドバイザーの丸山晴美さんが提唱する「替え活」とは!?

かといって出費を抑えるために生活の質は落としたくない……。そんな人におススメしたい節約術が、節約アドバイザーの丸山晴美さんが提唱する「替え活」だ。「替え活」とは、増税後も生活の質を下げることなく、今の生活水準を保ちながら節約を行う手法のこと。「まとめ払いをする」「割引制度を利用する」「電気代や通信費などの基本料金の見直しをする」など、知恵を使って厳しい家計の局面を打開する、そんな節約術だ。

生活費の節約は「固定費」に注目

では具体的な「替え活」方法を見ていこう。生活費で注目すべき項目は「固定費」。固定費は家庭にとって毎月かかる費用であり、その分、節約できると効果が高い。一般家庭における代表的な固定費には、住宅ローン、通信費、生命保険料、光熱費などがある。このうち、住宅ローンと生命保険は長期的な契約によるもので節約の対象とはなりにくいが、光熱費は使用量を減らすよう心掛けることで削減できるだろう。

一方、通信費はどうか。通信費は近年のスマートフォンの普及により増加傾向にある。明細を見て高額の通信費に驚いた人も多いはず。ある調査では、通信料増加額は月額平均3,300円、8割が月額1,500円以上と、一人当たりの通信費は上昇し続けており、スマートフォンの通信料で悩んでいる主婦は約6割に上っているという。

「替え活」はスマホでもできる?

では、スマートフォンで基本機能の質を落とさず、固定費を抑える「替え活」を実現するにはどうすればいいのか。丸山さんは「これからは、上手にアプリを使ってお得に節約をする時代です」と語る。

実は「050 plus」「楽天電話」「LINE」といった無料通話サービスやアプリを活用すると通信料を大幅に安くすることができるのだ。公衆無線LANや格安SIMの利用で通信料を抑え、IP電話アプリで通話料削減、SMSは無料のチャットアプリに置き換えるなど、代替サービスを組み合わせることで、携帯電話の基本使用料を節約できる。早速代替サービスの内容を紹介していこう。

スマホの「替え活」例

格安SIM

格安SIMカードは、MVNO(携帯会社の回線を借りて、安く通信サービスを提供している事業者)と契約して利用するサービス。今まで使ってきたSIMカードをMVNOのSIMカードと差し替えることで、低価格でパケット通信ができるようになる。「OCN モバイル ONE」「楽天ブロードバンド」「ServersMan SIM LTE」など、各社から安価なSIMカードが発売されている。料金は月額467円から。全体的に安価だが通信速度制限もあるため、事前によく確認してほしい。

無線LAN

無線LANは、外出先でデータ通信を利用できるサービス。安い料金で利用可能な有料無線LANが多数提供されており、なかでも「Wi2」は接続スポット数が多く、地方でも十分活用できる点が長所となっている。

IP電話アプリ

IP電話アプリは、インターネット回線を使って通話するアプリ。通話料金を大幅に削減することができるため人気が高い。主なサービスには、「050 plus」「IP-Phone SMART」などがある。

中でもNTTコミュニケーションズが提供するIP電話アプリ「050 plus」は高品質のサービスで人気がある。人気の理由は、提携プロバイダ300万契約以上(2012年10月31日現在)のIP電話と無料通話ができる点。携帯電話・スマートフォンへの通話料は16.8円/1分と通常の半額以下、固定電話への通話料も8.4円/3分と大幅に安い。また、通話画面に写真・画像を送受信できる「フォトトーク」サービスもあり、同サービスでは、「050 plus」同士の通話中に撮影した写真をそのまま送ったり、写真・画像にメッセージを追加したりすることができる。通話開始と同時に送信も可能で、送受信した写真・画像は履歴から閲覧可能だ。

チャットアプリ

チャットアプリは、固有の電話番号を持たず、同一アプリ間でのみ通話可能なアプリ。電話番号で友人同士をマッチングする「LINE」や「カカオトーク」などが有名で、無料のものが多い。

スマホの「替え活」で固定費削減効果。なんと年間6.5万円!

次に「替え活」を実行すると、どれくらい固定費を削減できるか試算してみよう。例えば、有料無線LAN「Wi2」(月額362円)、SIMカード「OCN モバイル ONE」(同934円)、IP電話アプリ「050 plus」(同300円+通信料)、チャットアプリ「LINE」(無料)を使った場合、通信費は月額1,596円に抑えられ、従来の通信費6,743円(最大)と比べて1カ月で5,338円も節約できる。ざっと計算すると、5,338円×12カ月でなんと年間6万4,056円、5年間だと32万円も節約できるのだ。

スマホ「替え活」シミュレーション(基本料金での試算)


このほかにもスマートフォンの代替サービスについては、NTTレゾナントやBIGLOBEが、SIMフリー端末と格安SIM、音声通話アプリをセットにしたいわゆる「ほぼスマホ」パッケージを発売するなど、「替え活」の選択肢は広がっている。ぜひ皆さんも賢い「替え活」を実行して、4月からの消費増税を乗り切ってほしい。