リビングデザインセンターOZONEの3階で開催

リビングデザインセンターOZONEは6月3日まで、展示「ツナガルカタチ~家族をはぐくむこれからの住まい~」を開催している。家族の変化に対応した住まいの形とは、どのような姿なのか。取材してきた。

変化を踏まえた展示

同展は、住宅取得を検討する30~40代の家族向けに構成されている。例年春の時期に家族をテーマにした企画をしているが、今年は「家族」と言っても親子だけではない様々な形があることや、経年変化があることを踏まえてテーマを設定したという。

会場には、実物大のモデルルーム「家族をはぐくむ居住空間」や「"ツナガル"事例5選」、「住まいの診断チャート」「時間をはぐくむ間取り紹介」などの展示がされている。連動したセミナーやワークショップも実施している。

「はぐくみポイント」を提案

「家族をはぐくむ居住空間」では、実物大のLDKによって家族の変化に対応した住宅を例示。子供が成長したときや独立したときの部屋の使い方も、パネルで紹介されていた。

「家族をはぐくむ居住空間」としてLDKの展示

家事も勉強も遊びもできる土間空間

同モデルルームでは「はぐくみポイント」として、「距離感の演出」や「スムーズな家事導線」、「変更できる間取り」などを提案している。例えば、家を建てるときに「はり」を付けておくことで、同じ建物でも部屋の間取りを変えられるようになることがある。間取りを変えられれば、夫婦の寝室を家族のクローゼットスペースに移動して、その寝室があった空間を2部屋に分割し、姉と弟それぞれの部屋を作ることも可能になる。住まいも「はぐくむ」という考えが見られるポイントだった。

モデルルームは、小さな子供がいる時期を想定した展示。「家族だからつながりたいけれど、"べったり"はつらい」という思いに応えるものとなっている。キッチンは食卓が近いオープンキッチンとなっており、誰でも手伝えるようになっていた。

フックの高さに成長を刻んで

キッチン横には机の置かれた土間空間。机はアイロン掛けなどの作業机としても使えるほか、リビングから少し隔離された、勉強机にもできる。ここでも「"べったり"ではないつながり」が体現されていた。土間の壁にはくぎを打ってフックなどを付けることもできるため、子供の成長に合わせて帽子掛けの位置を上に上げていくといったことも可能だ。柱に身長を刻むような思い出作りができる。

リビングの隅には子供のスペースを配置。すぐ横に収納スペースもあるため、来客時の片付けも容易となっている。テーブルの下には、子供が片付けの習慣をつけられるようにした収納スペースもあった。

中2階は限られた空間を、居心地の良さそうな作りに変化させている。キッチンの真正面に位置しているため、キッチンにいる人と中2階にいる人がお互いの視界に入り、気配を感じることができる。

リビングの隅に子供スペースを

くつろぎの中2階

週末には相談も

キッチンから正面の中2階を眺める

「"ツナガル"事例5選」は、OZONE登録建築家による住宅事例が紹介されているパネル展示。様々な家族構成と場所に応じた建て方を知ることができた。そのほかにも、「自分の部屋の保持率」などの調査結果を展示するコーナー「ツナガルデータ」や、セミナー・ワークショップ用の空間もあった。週末には住まいづくりコンサルタントが相談に対応するとのこと。

リビング・デザインセンターで同展の担当をしている林陽子氏は、「この展示で、一つの家が育っていく過程を見てほしい。自分ならどういう家にどういうふうに住むかを考えてもらえれば」と話してくれた。

会場は、リビングデザインセンターOZONE 3F OZONEプラザ(東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワー)。時間は10時30分~19時で、入場は無料となっている(祝日以外の水曜休館)。