本連載ではAppleが取り組むiPhoneやモバイルサービス、そしてこれから作りだされる未来の生活について、ジャーナリストの松村太郎氏が深読み、先読みしながら考えていく。今回は主にiOS 7.1へのアップデートで何が変わったのかを振り返る。現段階で予想されているiOS 8の内容にも若干触れる。

iOS 7.1になるまで

iOS 7は、AppleのiPhone/iPad/iPod touchなどのモバイルデバイス向け基本ソフトだ。iPhoneの歴史は、ハードウエアの性能向上はもちろんだが、iOSの進化によって広がっていった。Appleは電話・iPod・インターネットデバイスの三位一体の端末としてiPhoneをリリースしたが、当初は現在のようなアプリ追加はできなかった。しかし大きなタッチスクリーンの新しいスマートフォンとして、携帯電話の姿を一変させるインパクトがあった。

iPhoneが登場した2007年、当時は「iPhone OS」としてリリースされた。2008年の「iPhone OS 2.0」からApp Storeを導入し、アプリを追加することができるようになった。2010年のiPad登場に合わせて、iOSへと名称を変更し、毎年1つずつバージョンを上げてきた。2013年にリリースした「iOS 7」では、登場当初から採用してきたスキュアモーフィズムと呼ばれる現実のものを再現するデザイン手法から、よりシンプルなデザインへと変更した。

iOS 7.1をiOS 7と比べると、数々の変更点を見つけることができる。全体的には、より統一感が増したという印象がある。

詳しくは次項で紹介するが、デザインに関して、微調整や、ユーザーの多くが指摘していた点を数多く反映させた。アニメーションを向上させ、カスタマイズの要素を増やすなど、毎日長時間利用するiPhone・iPadの画面を好みに合わせられるようになってきた。

そして、iOS 7でサポートする端末の末端に加えられていたiPhone 4を利用しているユーザーは、ぜひiOS 7.1を導入すると良いだろう。筆者の手元にあるソフトバンク版のiPhone 4も、iOS 7を導入してから動作が遅くなり、パフォーマンスが下がってしまったが、iOS 7.1を導入すると、幾分軽快に動いてくれるようになった。iPhone 4S移行の端末でも、Appleの新しい演出によって、軽快さを増しているように感じさせてくれる。