「もしかして……できたかも!? 」の症状は人によって様々。まずは市販薬での検査をし、陽性なら産婦人科へ(画像はイメージ)

妊娠初期症状として代表的なのが「つわり」。生理予定日の1~2週間後から出始める吐き気や胸やけといった症状だ。さらには、異常な眠気や不眠、下腹部の痛み、お腹が張る感覚を訴える女性もいて、「妊娠初期症状」といってもその内容は人によって様々。産婦人科医で性科学者の宋美玄医師先生によると、こうした妊娠初期症状は医学的にも認められたものだ。

「つわりや睡眠に関する症状は、妊娠によるホルモンの変化が一因と考えられています。また、下腹部の違和感は、子宮の拡張や子宮内に流れ込む血液量の増加により起きるとされています。しかし、いずれも医学的に完全に解明されているものではなく、おそらくこういったものが原因であろう、とされているにすぎません」。

受精卵が着床する痛み……??

一方、妊娠の超初期症状として、受精卵の着床時に生じる「妊娠生理」と呼ばれる少量の出血や、着床するときの痛みである「着床痛」を訴える女性もいる。これらは、医学的に根拠があるのだろうか。

「排卵から着床までに要する期間は10日前後。その間に少量の出血が起きる人がいるのは事実です。しかし、着床痛に関しては考えにくい。着床痛を『チクチクしたおなかの痛み』とたとえる人もいますが、そういった腹部の痛みが子宮内で起きているのか腸の痛みなのか、一般の方が見分けることは困難です」。

このような妊娠の超初期症状に一喜一憂するのではなく、やはり生理予定日から1週間後に市販の妊娠検査薬で検査をし、陽性の場合は病院で診察を受けるのがお勧めだ。しかし、"腹部の痛み"の中には流産によるものが含まれることもある。

「妊娠初期の流産は、下腹部の痛みを訴えて出血するケースもあれば、自覚症状がなく胎児の心拍が止まっている稽留流産という場合もあります。流産は全妊娠の約15%に起きる現象で、特に初期の場合は受精卵の遺伝子異常が原因となるケースが大半。予防策がないのが現状です」。

「妊娠したかも!? 」という場合は、まずは生理予定日の1週間後まで待ち、市販薬で検査。そして産婦人科へ。この流れを覚えておこう。

宋美玄(そん みひょん)医師

産婦人科女医・性科学者
1976年兵庫県神戸市生まれ。2001年大阪大学医学部医学科を卒業。同年医師免許取得、大阪大学産婦人科入局。2007年川崎医科大学講師就任、2009年イギリス・ロンドン大学病院の胎児超音波部門に留学。
2010年には日本国内の病院にて産婦人科医として従事する傍ら、「女医が教える本当に気持ちいいセックス」を上梓。50万部突破の大ヒットとなる。 2012年には第一子となる女児を出産。現在、フジテレビ「とくダネ!」火曜日レギュラーコメンテーターとしても出演中。