説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「「○○が△△へのアクセスを求めています」という確認画面、気安くOKしてだいじょうぶ?」という質問に答えます。

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iOSアプリは、原則として「専用領域内で動作し他の領域にはアクセスできない」決まりになっています。これは「サンドボックス構造」と呼ばれ、インストールしたアプリが勝手に他のアプリが使用するデータにアクセスする、システム領域を書き替える、といった安全上問題がある処理を妨げる効果があります。

例外もあります。写真の保存領域(カメラロール)や「連絡先」に蓄えた個人情報、「カレンダー」のスケジュールや「リマインダー」の項目といったデータは、他のアプリからのアクセスを認めたほうがデータの有用性は向上します。たとえば、画像編集アプリにカメラロールへのアクセスを認めれば、iPhoneで撮影した写真を加工する手段が増えます。FacebookやTwitterなどのアプリでカメラロールの写真を投稿できるのも、このしくみがあるからこそです。

そのアクセスを認める手続きが、質問にあった「○○が△△へのアクセスを求めています」というダイアログです。アプリがカメラロールなど外部領域へアクセスしようとするときに表示され、そこで「OK」ボタンをタップしないかぎりアクセスは許されません。むやみにOKするのは困りものですが、iOSアプリはApp Storeの審査を経て公開されるわけですから、ある程度ユーザ数が多い(著名な)アプリは信用していいでしょう。というより、信用して「OK」しなければアプリの機能が制限されてしまうわけですから、明らかに不要な機能でないかぎりOKせざるをえません。

すべてのアプリは外部から独立した領域(サンドボックス)で動作するため、カメラロールなどの領域へはじめてアクセスするときは承認を求められます

アプリのアクセス許可情報は、「設定」→「プライバシー」画面で機能別に管理されています。アプリごとのスイッチをオフにすると、あとからアクセス許可を取り消すこともできます