説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりでも正しく理解していないことがあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、『アプリを削除すると「プッシュ通知」はどうなるの?』という質問に答えます。

***

プッシュ通知は、Appleが運営するネットワークサービス(APNS、Apple Push Notification Service)により実現されています。つねにインターネットに接続していることが前提とされており、アプリ開発者からユーザに対しリアルタイムに短い情報を送信できることが特徴です。

プッシュ通知に対応したアプリでプッシュ通知を許可すると、APNSから「デバイストークン」と呼ばれるIDが発行され、そのアプリに送信されます。さらにそのデバイストークンは、アプリからアプリ開発者(プロバイダと呼ばれます)のもとへ送信され、プロバイダはそれを目印としAPNS経由でアプリへ情報を送信することによりプッシュ通知が成立します。

そのしくみはiOS 3で登場した時点から大きな変化はありませんが、デバイストークンはiOS 7からアプリ単位で発行されるようになりました。アプリごとに異なるデバイストークンが割り当てられるようになったため、個人情報保護という意味でのセキュリティは向上しています。

デバイストークンは、そのアプリがインストールされている間は有効ですが、削除すると失われます。アプリを削除するとすぐにプッシュ通知は届かなくなり、通知センターから表示も消えます。いちど削除したアプリも再インストールすればプッシュ通知が届くようになりますが、デバイストークンは再発行されるため、受け取ったプッシュ通知の数などの情報はいったんクリアされます。

アプリごとに発行される「デバイストークン」を目印にプッシュ通知が送信されます。アプリを削除すると、そのデバイストークン宛てのプッシュ通知は届かなくなり、通知センターに表示されていたメッセージも消えます