世の中にユニークなネーミングの商品は数あれど、「鼻くそ」や「う○こ」を商品名にしてしまう大胆不敵な企業はそうそうない。だからこそ、そうした商品が市場に出た時、人々は驚きつつもこぞって商品を買い求めるのかもしれない。エイコーの「うしのう○こ?」(15粒380円)、「ヒグマの鼻くそ」(70g 350円)もまさにそんな面白商品のうちのひとつだ。

イラストのインパクトも相当な「うしのう○こ?」

観光地で"売れる"土産物を

昭和38年(1963)に設立した当初、同社は工芸品や民芸品などの観光土産物を中心に取り扱っていた。そして、販売規模が拡大して全国の観光地に商品を卸すようになって以降は、小売店からの要望によって食品も扱うようになったという。

しかしその際、同業他社の存在もあり、思うように商品を仕入れることができなかった。ならばと自社で商品の企画に乗り出したのだ。そこで思いついた商品のひとつが、「北海道ならではの商品を作ってほしい」との要望に応えて開発した「ヒグマの鼻くそ」。後に子供たちにも大人気となるチョコ菓子だ。

「ヒグマがほじった鼻くそは大体このくらいの大きさに違いない」と思えるくらいのサイズ感がリアルな上に、パッケージのイラストもユニークで、瞬く間に人気に火が付いたというのもうなずける。

鼻くそをほじる親ヒグマに動じることなく、キュートな笑顔を見せる天然子ヒグマ

さらに、砂川ハイウェイオアシス館に実存する販売員の要望によって生まれた「くまこの鼻くそ」(70g 350円)も、大ヒットしたという。

劇画タッチのくまこさん。右手小指に光る鼻くそのせいで美人が台無し!?

意外にベテランの先輩こそ楽しんでいる!?

また、「うしのう○こ?」という小学生レベルの下ネタを、まんま商品名にしたお菓子も売れているという。

「以前は『うしのたまご』も売ってたんですよ。でも当然、牛はたまごなんて産まないでしょう? でも、若い人たちがジョークでやってほしいっていうもんですから」とはエイコー年配社員の弁。とはいえ、インタビューの電話越しに答えている当の本人も、楽しんでいる様子が伝わってくる。

その他にも、商品中1個に唐辛子を入れてロシアンルーレット風ゲームを楽しめる「飛騨さるほぼサバイバルクッキー」(400円)、"布団がふっとんだ"並みのだじゃれを商品名に採用した「びっ栗 北きつね」(9個500円)など、思わずくすりと笑ってしまう商品を次々と考案しているエイコー。

企画会議の様子を想像しただけでも、何だかちょっと楽しい気分になってしまうのは筆者だけではないはずだ。

商品名のだじゃれにはほくそ笑んでしまうが、コロンとした形の栗を模したおいしそうな商品をみるとよだれが垂れそう