Touch IDからは戻れない

iPhone 5sの外見上の数少ない変更点が、指紋センサーであるTouch IDが内蔵されたホームボタンだ。5本の指まで指紋を登録することができ、iPhoneの画面太点灯している際に軽く触れる事でロックを解除することができる。また、iTunes StoreやApp Storeのパスワード入力を代替することができる。

今ではポケットから取り出す際にロック解除ができるまでに

iPhone 5sを使い始めて指紋登録をしてからもしばらくは、ついついiPhoneのロック解除をパスコード入力で行ってしまう癖が抜けなかった。iPhone 3Gの時代から、ロック解除のスライダーをスワイプして4桁の数字を入力するという動作を、起きている時間は1時間に5~10回行うという生活を続けてきたためだ。

しかしTouch IDを使うようになり、ホームボタンを押し込んで、ボタンが上に戻ってきたときに指を離さず触れておく、という操作方法を覚えると、1時間あたり5~10回のスワイプと、20~40回の数字のタップを行わずにロック解除ができるようになった。

いまでは、ポケットに入っているiPhoneを握って取り出すときに親指でホームボタンに触れてロック解除をする、という方法まで身につけることができ、おそらく1回あたり2秒ほどの時間短縮が行われているはずだ。もちろん、短縮された時間を厳密に計測したり、その分得をした、というつもりはない。ただ、ポケットから取り出したらロックが解除されている、という一連の動作そのものに心地よさを感じるようになった。

Touch IDが現状利用できる場面はロック解除とストアでのパスワード入力省略の2つに限られている。おそらく今後、認証が取れたかどうかという情報だけをアプリに返す形で、APIとしてサードパーティーのアプリからもTouch IDを利用できるようになるだろう。活用範囲の発展性以前に、手放せない機能になっている点で、筆者のお気に入りの機能となっている。