多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、「Androidスマホではオーディオをデジタル出力できないの?」という質問に答えます。

***

iPhoneでは、30ピンのDockコネクタの時代から「オーディオのデジタル出力」がサポートされています。コネクタがLightningに変わってからは、オーディオのアナログ出力が廃止されてしまい、デジタル出力オンリーとなりました。一般的にオーディオ信号は、デジタルのまま送受信したほうがデータの得失が少ないため有利とされますから、この点でiPhoneは進んでいると言えるかもしれません。

いっぽうのAndroid端末は、各メーカーによってハードウェア仕様が異なる事情もあり、オーディオ出力はアナログが基本でした。USBホスト機能を持つ一部の端末では、USB On-The-Goケーブルを使用し対応するUSB DACと接続することで、USB端子からオーディオ信号をデジタル出力することは可能だったものの、microBタイプのUSB On-The-Goケーブルがあまり流通していないこともあり一般的とはいえない状況が続きました。

Android 4.1からは事態が好転し、USBホスト接続によるUSBオーディオ再生がサポートされました。これで、ベンダー依存のUSBオーディオクラスドライバを利用し、USB On-The-Goケーブル経由でUSB-DACを接続できるようになりました。しかし、採用はメーカーの判断に委ねられるため、実際にサポートされたのはGALAXY S3などわずかです。

Androidアクセサリプロトコル(AOA)2.0という接続規格も整備されました。ベンダー依存のUSBオーディオクラスドライバを使用しないため、Android 4.1以降が動作する端末であれば、接続したUSB-DACにデジタル出力することが可能です(ただしフォーマットは44.1kHz/16bitが上限)。3月にはAOA 2.0対応のUSB-DACも発売されますから、いよいよAndroidでもオーディオのデジタル出力が普通のことになるかもしれません。

AOA 2.0に対応したUSB-DAC搭載ポータブルヘッドホンアンプ「TEAC HA-P50」

(記事提供: AndroWire編集部)