キヤノン「PowerShot G1 X Mark II」は、主に写真愛好家層をターゲットにした多機能な高級コンパクトデジカメだ。2012年発売の「PowerShot G1 X」の後継機にあたり、1.5型という大きなセンサーサイズを継承しながら、レンズやエンジン、AF、液晶モニターなどを大きく改良。機能や操作面にもさまざまな工夫を盛り込んでいる。その性能はどうなのか。試作機によるレビューをお伝えしよう。

「PowerShot G1 X Mark II」

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ボディは、これまでの「PowerShot G」シリーズと同じくツヤ消しの黒を基調にした精悍なデザインを採用する。前モデルのPowerShot G1 Xと比べた場合、横幅と奥行きはあまり変わらないが、高さが約6.5mm低くなったことで、よりスマートに生まれ変わった印象を受ける。液晶モニターをバリアングル式から上下チルト式に改めたことや、実像式の光学ファインダーを省き、外付けの電子ビューファインダーに変更したことも、外見上の大きな違いだ。

天面にはホットシューやモードダイヤルを装備

上に180度、下に45度まで可動するチルト可動式の液晶モニターを搭載

デザイン上のポイントは、レンズ鏡胴部にあるコントロールリングや、天面のモードダイヤルの側面に綾目のローレット加工を施し、見た目の高級感と手触りを高めていること。また、外装の表面にうっすらと加えたシボ処理や、アクセントとして配置したレンズの付け根部分のシルバーリングなど、細部までこだわりを持って作り込まれている。

天面には、オプションの電子ビューファインダー「EVF-DC1」を装着できる

内蔵ストロボをポップアップした状態。外部ストロボの使用も可能

ホールド性については、筆者の大きめの手にはグリップがやや小さすぎると感じたが、実際の使用では左手をレンズ鏡胴部に添えるので、撮る際のバランスは悪くない。付属のグリップを交換し、より大きなオプションのカスタムグリップを取り付けることも可能だ。

携帯性に関しては、上着のポケットにすんなりと収まるのがうれしいところ。しかも、前モデルでは着脱式だったレンズキャップが、電源に連動した内蔵レンズバリアに変更になったことで、速写性がいっそう向上している。

背面のボタン類は右手のみで操作できるように集中配置されている

レンズの鏡胴部には感触が異なる2つのコントロールリングを装備する