鳥取にはバリエーション豊かな「鳥取カレー」が待っている!

1世帯あたりのカレールウ年間支出金が全国トップクラスと言われている鳥取県。そんなカレー好きな鳥取県では、食堂や喫茶店からパン店にまでオリジナルカレーが存在し、近年ではそれらを「鳥取カレー」として大きくフレーミングしているという。

カレールウの購入額・量が全国トップクラス!

鳥取県は総務省家計調査実施の結果、平成7年から平成22年までの15年間で、カレールウの支出総額で4回、購入数量で8回も1位を獲得した県である。そんなカレー大好きな県民性を反映してなのか、県内にはあまたの「鳥取カレー」を提供する店があるのだ。

ところでこの「鳥取カレー」、定義は何なのか? 「鳥取カレー倶楽部」に問い合わせたところ、「初めは鳥取カレー倶楽部の加盟店に、『県産品を使ってカレーを作ってください』とお願いしていたのですが、定義ってほどのしばりではないですから……」とのこと。つまり、定義は特にないようだ。ちなみに、鳥取カレー倶楽部には現在、20店舗ほどが加盟している。

あなたはホタテ2つ? それとも3つ?

ということで、まずは鳥取カレー倶楽部に加盟している、青谷町の「コーヒー&カレー五島」を紹介しよう。地元のファンも多く、隠れた人気店といっていいこの店には、ユニークな名前をもつ鳥取カレーがあるという。

その名も「弥生カレー」。地元産の野菜や生姜などをじっくり3日間も煮込んでつくられた手作りカレー。面白いのはライスにピラフを用いていること。そして地元の上寺地遺跡から出土した貝にちなみ、丸々と大粒のホタテをカレーの中に浮かべているのだ。

この「弥生カレー」はホタテの数を選べるらしく、2個入りの場合は980円。ボリュームたっぷり3個入りだと1,250円ちなる。丁寧にソテーされた大ホタテが実においしい! 洋食好きにはたまらない一品である。

大粒のホタテが嬉うれしい「弥生カレー」は980円と1,250円だ

●infomation
コーヒー&カレー五島
鳥取市青谷町青谷4298-1

曜日限定で提供される「いのししカレー」

さて、続いてはワイルドな獣肉を使った鳥取カレーを紹介したい。面白いのはこのカレーの提供場所である。何と「鳥取県庁食堂」なのである。ここに安くておいしいカレーが存在していると聞き、訪れてみることにした。その名も「いのししカレー」だ。

サラダ、みそ汁付きで500円という価格だが、地産地消というコンセプトだけあり、いのしし肉も鳥取県の鹿野産を使用しているというから驚きである。この「いのししカレー」は毎月第一、第三火曜日限定のメニューなので、食べられる日を狙って訪れてほしい。

食べられる曜日が決まっている「いのししカレー」をお見逃しなく!

●infomation
鳥取県庁食堂
鳥取市東町1-271 「鳥取県庁第二庁舎」9F

「あご」のダシが効いた一品

最後はシーフードカレーを紹介しよう。といっても、タコやイカやエビといった普通のシーフードではない! さすがの鳥取カレー。こんな面白い素材までをシーフードカレーにしてしまうのだ。

そんな一品は「砂丘会館」にある「あごカツカレー」(850円)である。「え? あごって何?」という筆者の質問に、一緒にいた鳥取県民の友人が教えてくれた。あごとは「飛魚」のことなのだ。この「あごカツカレー」は、飛魚の身をそのまま入れているのではなく、すり身をハンペンのように固めてカツ化して揚げているのである。

このカレーはそんなあごのダシがたっぷりと出ていて実においしい。他ではなかなか食べることのできないカレーなので鳥取砂丘を観光される際は、是非挑戦してみてほしい一品だ。

「あご」とは「飛魚」のことだって、知ってた?

●infomation
砂丘会館
鳥取市福郡町潟山2164

地元での口コミをベースにざっと食べ歩きをしただけでも、「鳥取カレー」の個性がお分かりいただけたかと思う。しかし地元・鳥取県には、まだまだユニークでおいしいカレーが豊かに存在している。観光やビジネスで訪れた際には是非味わってほしい、新進気鋭のご当地カレーである。