ブロードバンドという言葉が普及しはじめたのは、つい十数年前のこと。帯域が数十~数百Mbpsという高速回線は大企業の話、個人レベルでは56kbpsのアナログモデムを使い電話回線経由でインターネット接続するのが関の山。112kbpsのISDNが高速とされた時代だ。圧縮しデータ量を軽くすることで相手に負担を与えないようにする、それが「メールの添付ファイルは圧縮すべし」という不文律が生まれた背景にある。

数十Mbpsという速さをモバイル回線でも利用できる現在、そのように口やかましく言われることはなくなった。当たり前のように未圧縮のファイルがメールに添付されているので、解凍せずそのまま開くことができる。しかし、前述した過去の経緯もあり、いまなお律儀に圧縮ファイルを添付する人も少なくない。

この圧縮ファイル、iOS 7から格段に扱いやすくなった。iOS 6以前は解凍機能を持つサードパーティー製アプリに処理を受け渡し、そちらで解凍するしかなかったが、iOS 7の「メール」にはZIPファイルを解凍する機能が追加されたのだ。そもそも「メール」には文書をプレビューする機能があるので、解凍した文書はその場で内容を確認できる。ZIPファイルを受け取ってしまって扱いに困る、というのは過去の話だ。

使い方はかんたん、添付されたZIPファイルをタップすればOK。これだけでZIPファイルは解凍され、その内容物をプレビューできるようになる。複数の文書が含まれている場合は、左右へフリックするとプレビューする文書を切り替えできる。画面右下のフォルダアイコンをタップすれば、ZIPファイルの内容をリスト形式で確認することも可能だ。

操作手順をカンタン解説

1 受信したメールに圧縮ファイル(ZIP)が添付されている場合、タップすれば解凍できる

2 解凍が完了次第、ZIPファイルに含まれる文書がプレビューされる。左右へフリックすれば、プレビュー対象を切り替えできる

3 プレビュー画面右下のフォルダアイコンをタップすると、ZIPファイルの内容をリスト型式で確認できる

(提供:iPad iPhone Wire)