伊勢神宮の外宮(=豊受大神宮)の御正殿(ごしょうでん)

伊勢神宮に内宮(ないくう)と外宮(げくう)の2つの神宮があることは、意外と知られていない。そのひとつに祀られている豊受大御神(とようけおおみかみ)は、「食の神様」として親しまれている。最近、豊受大御神にあやかって飛び出したプロジェクトが「御饌(みけ)丼」なのだが、どうやらそのバリエーションがすごいそうだ!

天照大御神への食事を丼に

伊勢神宮の内宮には天照大御神が祀られており、その天照大御神に食事を司っているのが、外宮に祀られている「食の神様」の豊受大御神である。最近、豊受大御神にあやかって、伊勢神宮の外宮周辺の飲食店から飛び出したプロジェクトが「御饌(みけ)丼」なのだが、この“御饌”とは、外宮に朝夕用意される食事のことだそうだ。

つまり「御饌丼」とは、1500年も続くこの行事にあやかり、地元産の食材を使って「おかげさま」の心で作られたご当地丼ということ。そこで今回、地元で人気の「御饌(みけ)丼」を駆け足で紹介しよう!

古代ロマンを感じさせる「勾玉丼」

最初に訪れたのは、地元産の野菜や魚介類をふんだんに使ったヘルシーフードで人気の「レストランい~菜・伊勢店」。ここで遭遇したのは、その名も古代ロマンを感じさせる「勾玉丼」(1,000円)だ。「伊勢人の心のふるさと、勾玉池をイメージして丼にしてみました」とはスタッフの高橋由美さん。勾玉池とは外宮にある池のことで、その名の通り、勾玉の形をしている。

さて、その勾玉丼のディテールはこう。メイン食材は赤クルマエビとサツマイモ、ワカメなど地元の食材がたくさん詰まったかき揚げ。更に地元産穴子の天ぷらがトッピングされている。見ているだけでも豪華なこちらの一品は、かき揚げをばりっとひと口すると揚げたてのサクサクした味わいが口に広がる。

タレはご当地伊勢うどんのつゆに似て濃厚かつ甘辛い。そしてほんのり甘い勾玉の形をした卵焼きが良い箸休めになる。いちどスピードのついた箸は止まらず一気に完食してしまう一品である。

「レストランい~菜・伊勢店」の「匂玉丼」は1,000円

●infomation
レストランい~菜・伊勢店
伊勢市岩渕3-5-3豊田ビル伊勢スカイマンション

「元々は漁師のまかなし飯でした」

次に向かったのは「浜与本店」。ココの御饌丼は、答志島産の生しらすがドンとトッピングされた「生しらす丼」(1,260円)だ。「しらすの旬は春と秋でその時に穫れたしらすを急速冷凍して、鮮度そのままに一年中食べられるようにしました」と言うのは同店の西本たみ子さん。

食べてみると、生しらすは表面テカテカのピッカピカ。トロリとした食感で、いい意味で「生っぽい」。これを、酢味噌で食べるのが答志島流という。ミョウガやしそなどの薬味がきいていて、生特有のくさみを消してくれる。だから「生はニガテ」という人にもオールオッケー! 「元々は漁師のまかなし飯でした」というだけあり、実に豪快あっぱれなナマドンである。

「浜与本店」の「生しらす丼」は1,260円

●infomation
浜与本店 外宮前
三重県伊勢市本町14-3

あの高級魚がコロッケになって丼に!

さて、ラスト3軒目に突入しよう。今回はちょっと変わり種の御饌丼を食べてみたい。向かったのは「ふぐや」である。ココはその名のとおり、ふぐ料理店。こんなところに御饌丼が?と思うだろうが、思いっきり(見た目)B級にシフトした御饌丼なのである。

「ハイどうぞ」と中山晴文さんが持ってきてくれた御饌丼はその名も「ふくコロ丼」(840円)。何とご飯に載っているのはコロッケなのである。それがトロっとした「あん」でまとめられている。「もともとうちの名物メニューにふぐコロッケがあるんですよ。それを丼にアレンジしたものです」と中山さん。味が想像できない以上、食べてみるしかないなってことで実食。

コロッケを箸でぱっかり割ると、湯気とともに出てくるのはジャガイモ。しかし、食べてみるとすぐに分かる。フグの身がしっかりと練り込んであるのだ。あっさり味のコロッケにインパクトを加えるのは地元伊勢産のたまり醤油。じわじわっとうまさがこみ上げてくる一品だ。

コロッケを使った「ふくコロ丼」は840円

●infomation
ふぐや
三重県伊勢市一之木3-7-11

現在、御饌丼が食べられる店は16軒。伊勢神宮に参拝する時は忘れずに味わうべし! 今までなかったお伊勢さんの魅力に出合えること間違いなしだ。