ソニーが2013年冬に発売したハイブリッドタイプのインナーイヤーレシーバー「XBA-H」シリーズは、「XBA-H3」「XBA-H2」「XBA-H1」の3モデルがラインナップされている。中でも、最上位モデルのXBA-03が人気となっているのだが、ここではあえてローエンドモデルのXBA-H1を取り上げてみたい。

まずは製品の概要をチェック

「XBA-H1」

ソニーでは、BA(バランスド・アーマチュア)ドライバーを搭載した「XBA」シリーズのインナーイヤーレシーバーをリリースしている。「XBA」シリーズは、解像度の高さ、高域のクリアさ、ボーカルの表現力など、BAドライバー搭載モデルらしいサウンドを楽しめるシリーズだ。

「XBA-H」シリーズは、BAドライバーとダイナミックドライバーの両方を搭載することで、BAドライバーならではの解像度や高域、そしてダイナミック型ドライバーならではの迫力のある低域の両方を1本で表現することを狙った製品だ。

XBA-H1は自社製のBAドライバー×1本に、φ9mmのダイナミックドライバー1本を積んだモデル。2種類のドライバーを搭載するハイブリッド型ではあるが、極端な大きさというわけではない。これは、XBA-H2やXBA-H3と比べた場合の大きなアドバンテージだ。

ハウジングは大きいといえば大きいが、邪魔になるほどのサイズではない

「XBA-H1」のハウジング部分拡大

コードは絡みの少ないセレーションコードを採用している。セレーションコードは、コードに縦方向の細い溝を設けることで絡みを抑制するというもの。XBA-H1に採用されているセレーションコードは、かなり溝が細めのタイプだが、適当にポケットに入れておいても、致命的に絡まるというようなことは起こらないようだ。また、タッチノイズも少なめだ。プラグはL型で金メッキが施されている。

セレーションコードを採用。写真ではわかりにくいが、細かな溝が設けられている

イヤーピースは、通常タイプの「ハイブリッドイヤーピース」と、「シリコンフォームドイヤーピース」の2種類で、ハイブリッドイヤーピースはSS/S/M/Lの4サイズ、シリコンフォームドイヤーピースはS/M/Lの3サイズが付属する。

シリコンフォームドイヤーピースは、かつてはノイズアイソレーションイヤーピースと呼ばれていたもので、中に発泡クッション材が入れられており、遮音性・密閉度が高められている。ただし少々固めであり、通常のイヤピースに比べると、サイズを正しく選ぶ必要がある。筆者に適合するサイズはMだが、ハイブリッドイヤーピースの場合、Lサイズを使用しても、それほど耳に負担はかからない。それに対して、シリコンフォームドイヤーピースでLサイズを使用すると、30分ほどで耳が痛くなってくる。2つのイヤーピースで音を比べると、シリコンフォームドイヤーピースのほうが低域の量は増えるが、ハイブリッドイヤーピースのほうが抜けのよさは感じられる。

上が「シリコンフォームドイヤーピース」で、下が「ハイブリッドイヤーピース」