評価機材の紹介

では実際に比較する機材をご紹介したい。まずRadeon R7 265の方である。AMDのリファレンスはシングルファン構成らしいが、なぜか届いたのはSAPPHIREのロゴ入りデュアルファン構成のものだった(Photo17~21)。

Photo17:外観は同社のDUAL-Xシリーズ(例えばhttp://www.sapphiretech.jp/products/r9-270-pcie/r9-27011220-00-25gvd5208.html )に酷似したものだった

Photo18:後方から。ヒートパイプが覗いて見える

Photo19:電源はこちらに。6pin×1

Photo20:出力はDVI×2、HDMI、DisplayPortというスタンダードなもの

Photo21:裏面はこんな感じ。GDDR5は表面のみの実装を想定している

とはいえ未発表製品(というか、このまま最終製品として出荷されるものかどうかも不明)であり、AMDよりリファレンスとして提供されたものなので、これをリファレンスとして扱っている。

基板表面はこんな感じ(Photo22)。ヒートシンクは比較的重厚な構成だった(Photo23)。ダイそのものはこんな感じで、実測値では15.2mm×14mmの212.8平方mmといったところだった(Photo24)。

Photo22:シルク印刷を見る限り、基板そのものはファン1個を想定しているのかも

Photo23:放熱フィンそのものはアルミだが、ヒートパイプやダイ接合部は銅という、これまたSAPPHIREではお馴染みの構成

Photo24:パッケージサイズが40mm×40mmだったことから換算してダイサイズを算出した

Radeon R7 265のニュースの中でもRadeon HD 7850の仕様との重なりを指摘していたが、ダイサイズもRadeon HD 7850のものに非常に近い事が分かった。実際GPU-Zを使うと、GPUコアはPitcainと示される(Photo25)。Windows Experience Indexでのグラフィックススコアは7.9だった(Photo26)。

Photo25:動作周波数はスペックの通りの定格動作となっている

Photo26:Core i7-4770KよりIndexの値が高いのは。やや釈然としない気はする

次にGeForce GTX 750 Tiについて。今回はGeForce GTX 750は試用できなかったのでこちらだけである。なんとカードそのものはSingle Slot構成である(Photo27~31)。今回は1GBモデルを試用したのでGDDR5は表面のみの実装だったが、2GBモデルの場合は裏面まで実装されるのだろう。

Photo27:ただヒートシンクはそれなりに背が高いので、結局2スロット必要な事には変わりが無い

Photo28:一応6pinコネクタを取り付ける事も可能。これはオーバークロック動作用だろう

Photo29:ヒートシンクの高さがわかりやすいアングル。出力はDVI×2とMini-HDMI

Photo30:GDDR5チップにはヒートシンクがないが、それもあってかCPUファンから直接風を当てるような構造になっている

Photo31:裏面にもGDDR5を搭載できるパターンが出ているのが判る

チップにはGM107-400-A2という印字があった(Photo32)。GPU-Zでも正しく認識がなされており(Photo33)、Windows Experience Indexは7.7だった(Photo34)。

Photo32:パッケージサイズは29mm×29mmで、ここからダイサイズは12.1mm×12.9mmの156.平方mmと推察される

Photo33:実は作業的に、先にGeForce GTX 750 Tiのテストを行い、これの機材返却後にRadeon R7 265が届き、この間にGPU-Zがバージョンアップした関係で、こちらはVersion 0.7.6となっている

Photo34:これがまぁ順当な数字なのではないか、と

テスト環境

テスト環境であるが、表1の通りである。先にMantle環境のベンチマークレポートをお届けしたが、この時に利用した環境をそのまま流用した形である。ビデオカードとしては、Radeonに関してはRadeon R7 260、Radeon R9 270をリファレンスで用意した。

一方GeForceに関しては私物のELSA GeForce GTX 650 Ti S.A.C(GeForce GTX 650Ti)のほかにMSIのN760GTX Twin Frozr 4S OCを借用した(Photo35~38)。名前が示す通り若干のOCモデルではあるが、そもそもリファレンスのものが非常に入手しにくい昨今では、この程度のOCモデルであれば順当であろうという判断である。

■表1 今回のテスト環境
CPU Intel Core i7-4770K
M/B Intel DZ87KLT-75K
BIOS KLZ8711D.86A
Driver Inf Driver 9.4.0.1017
Memory XMP-1866 CL10 16GB
(Corsair VENGEANCE CMZ16GX3M2A1866C10 8GB×2)
Graphics GeForce GTX 750 Ti Reference ELSA GeForce GTX 650 Ti S.A.C MSI N760GTX Twin Frozr 4S OC RADEON R9-270 Reference RADEON R7-265 Reference RADEON R7-260 Reference
Graphics Driver GeForce Driver 334.69 Beta GeForce Driver 334.67 Beta Catalyst 14.1 v1.6 Beta
Storage Intel SSD520 128GB(System) + HGST HDP725050GLA360 500GB(Data)
OS Windows 7 Ultimate 64bit 日本語版+SP1

テスト結果

ではいつもの様にテスト結果を順に見てゆきたい。ちなみにグラフ中の表記であるが

  • GTX650Ti : ELSA GeForce GTX 650 Ti S.A.C
  • GTX750Ti : GeForce GTX 750 Ti リファレンス
  • GTX760 : MSI N760GTX Twin Frozr 4S OC
  • R7 260 : Radeon R7 260 リファレンス
  • R7 265 : Radeon R7 265 リファレンス
  • R9 270 : Radeon R9 270 リファレンス

となっている。