講演会やインタビューの内容をテキストとして保存するときには、「テープ起こし」と呼ばれる作業を行うことになる。その工程はアナログそのもの、耳で聞き取った内容をパソコンのワープロやテキストエディタへ入力していく地道な作業だ。いまや(カセット)テープを使う人は少なく、ICレコーダーやスマートフォンでデジタル録音することが一般的だが、テープ起こしという名前は残った。

iOSに標準装備の「ボイスメモ」も、テープ起こしにうってつけのアプリといえる。AACで圧縮しながら記録されるためディスク消費量は少なく、長時間録音できる。iTunesと同期したとき自動転送できるので、パソコンでテープ起こしの作業をするときも手間がかからない。もちろん、iPhoneで再生することも可能だ。

録音した内容をiPhoneで聞く場合、リストに表示された項目をタップし、再生ボタンをタップすればOK。あとはそのまま再生を続けるか、スライダーを操作して適当な位置から再生すればいい。問題は、録音時間が長くなると、リスト画面に表示されるスライダーでは細かい再生位置調整が難しくなり、頭出しが思うようにいかなくなるということだ。

この問題を回避するには、リスト画面のスライダー下にある「編集」ボタンをタップし、編集モードを利用すればいい。トリミング(必要な部分以外を取り除く機能)に使うためのモードだが、長い録音でも0.25秒刻みで位置調整できるので、聞き取れるまで何度も同じ箇所を聞くことが多いテープ起こしでは重宝する。ただし、テープ起こしの苦行そのものは改善されないため、心して取り組んでほしい。

操作手順をカンタン解説

1 録音済項目をタップすると現れる操作パネルには、再生位置を変更できるスライダーが用意されているが、秒の刻みが大きく頭出しが難しい。そこで「編集」ボタンをタップし、編集モードへ移る

2 編集モードでは、波形が表示されている部分を左右へフリックすると0.25秒刻みで再生位置を調整できる。トリミングを実行しなければ録音内容に影響はないので、安心して利用しよう

(提供:iPad iPhone Wire)