カンボジアの国旗が刺された「カンバーガー」、その中身は……

カンボジアでは、東南アジアならではの香辛料や香草を用いた魚や肉、麺、スープなどのグルメが、ワンプレート100円程度から楽しめる。その一方でちょっと注目してもらいたいのが、カンボジア人がカンボジア人のために展開するハンバーガーショップ「BB World」だ。もとい、ここはハンバーガーではなく「カンバーガー」なのである。

カンボジアにハンバーガー文化を

BB Worldが誕生したのは2002年9月のこと。同社はハンバーガー文化が十分に根付いていないカンボジアにて、現地の人たちが食べたいバーガーを目指して設立された。その理念は、全ての人に最高のサービス・価格・味を提供すること、そして、ローカルの味を創造していくことだという。

筆者が訪れたのは、カンボジアの首都・プノンペンで最大のマーケット「セントラルマーケット」から、歩いて1,2分のところにあるソリアショピングセンター内のショップ。同店は2003年6月に第2店舗としてオープンしたそう。取材当日は平日ということもあって、広い店内の客はまばらであったが、店内に設置されていたキッズスペースでは子供たちがキャッキャッと楽しそうに遊んでいた。

開放的な店内にはキッズスペースもある。ソリアショピングセンターの最上階にあるので、窓辺席でのんびりするのも良さそう

メニューを見ると、ビーフバーガー(1.4ドル=約144円)やチキンバーガー(1.7ドル=約174円)、フィッシュバーガー(1.9ドル=約195円)、ダブルチーズバーガー(2.2ドル=約226円)など、日本でもよく見られるメニューがお手頃価格で展開されていた。

取材時には英語を話せるスタッフがいなかったが、メニューは写真付きで英語でも書かれている。なお、カンボジアでは現地通貨のリエルのほか、USドルも一般に流通している

モチモチバンズに肉厚なポークパテ

その中で異彩を放っていたのがカンボジアバーガー(1.9ドル=約195円)だ。よくよくメニュー表を見てみると、「Cam-Burger(カンバーガー)」と通称で書かれている。フライドポテトとドリンクのセットでも3.3ドル(約338円)というお手軽さがうれしい。

先にフライドポテトとドリンクを受け取って待つことしばし、席に運ばれてきた「カンバーガー」を見てみると、ラッピングされた上にカンボジアの旗が立っているではないか! この強引な刺し方も“味”があっていい。

モチモチした食感のバンズには、肉厚なポークパテをサンド。そこに、フレンチドレッシングがベースになったソースとともに、レタスとトマトが添えられている。味わいや素材の観点から見ると、特に東南アジアやカンボジアという印象は受けなかったが、見るからに「カンボジアです!」と主張している旗でもうOKな気がしてくる。

肉厚なポークパテをサンドしたカンボジアバーガーは、「カンバーガー」とメニュー表にも記されている

そしてもうひとつ、チキン照り焼きバーガー(単品は1.8ドル=約185円、セットは3.4ドル=約349円)も注文。カンボジアではスーパーのみならずコンビニでも、しょうゆなどの日本食が売られている。そのため、照り焼きも現地の人たちにとっては一般的な味わいなのかもしれない。具材は、コショウが利いた照り焼きソースのチキンとレタスのみだが、ゴマがまぶされたバンズは横長でボリューム満点!

コショウが効いたチキン照り焼きバーガーは、日本人好みの甘辛テイスト

サイドメニューのフライドポテトも、日本でよくあるフライドポテトとちょっと違う。外がカリッとしていて中はホクホク。特に塩はふられていないようだが、ポテト自体のうまみが生きている。加えて、注文せずとも甘みの強いケチャップが付いてくるので、何だか得した気分にもなってくる。

ちなみにこちらでは、パンケーキやハム・エッグ・フライドポテト、ベーコン・エッグの朝食セット(ドリンク付きで各2.3ドル=約236円)や、フライドチキン(3ピースで3.2ドル=約328円)などのメニューもある。また、訪れた時はちょうど旧正月ということもあって、チキンやレタスなどをチリソースで味わえる期間限定のハンバーガー(2.1ドル=約215円)を全面に売り出していた。

BB Worldではイートインやテイクアウトのほかに、デリバリーサービスを行っているよう。ビジネスマンの昼食やホームパーティーなどで、BB Worldが活躍しているのかと想像してみるのも興味深い。