Appleのカメラ技術の探求

「Selfie」という新しい言葉を生み出すほど、スマートフォンのカメラがライフスタイルに与える影響は大きい。アプリの面でも、Instagramは非常に急速に拡大した「クールな写真を共有できるアプリ」となった。また昨今では、アウトカメラとインカメラの写真を組み合わせて撮影することができるFrontbackというアプリが話題になっている。風景と撮影者、2コマのストーリーなど、様々な使い方が生まれる注目のアプリだ。

Frontback

こうしたカメラへの注目は、Appleも今後のスマートフォン開発でも続けていくことになるだろう。

Appleは最近、SnappyLabsというJohn Papandriopoulos氏が運営する企業を買収している。同社がリリースしたSnappyLabsは、iPhoneなどが搭載するARMプロセッサに最適化されたアルゴリズムを活用し、iPhoneのカメラで毎秒20~30コマのフル解像度の写真を撮影できるようにした。ちなみにAppleのA7チップを搭載したiPhone 5sの連写機能「バーストモード」は、毎秒10コマに留まっており、同社の技術でiPhoneのカメラアプリの性能がより高まることが期待できる。

また最近のAppleの特許では、iPhoneのカメラ部分に磁石でアタッチするタイプのレンズのアイディアや、撮影時に複数の場所にフォーカスを合わせた写真を記録し、後からフォーカスが選べるようにするアイディアなどを見ることができる。こうした技術は、目新しい写真を作るためにも使えるかもしれないが、普段撮影している写真のミスをなくしたり、より美しい1枚を手にするために使われることも考えられる。

画像左:ケース着脱式のオプションレンズの特許も最近話題に、画像右:マグネット着脱式のオプションレンズの例(出典:ともにUSPTO)

例えば、花や料理の写真を撮影するとき、スマートフォンの画面ではキチンとピントが合っているように見えたが、実際は手前の撮りたかったものではなく、奥の風景やお皿の絵柄にピントが合っていたということはないだろうか。連写機能と複数のピントの写真を撮る技術を組み合わせることで、自分の好みのポイントにピントが合っている写真を後から選ぶ、といった使い方が可能になると便利そうだ。