保育所に入れたくても入れられないことから、東京都内で起きたママたちの一揆。杉並区でも異議申し立てのために区役所にママたちが押し寄せ、ニュースとなっていた。そんな保育所激戦区の杉並区で、子供を認可保育所に入れたママライターの保活をレポートする後編。

前編記事は→→ 【レポート】絶対認可保育園に入れるぞ! 激戦区で保活をした母親ライター体験記(前編)

「自営は不利? 」の不安が解決!

認可保育所の入所選考に有利になるよう、認可外に長時間預ける。親子関係を考えると本末転倒な気もするが、仕方ないのが現状

玉砕した一度目の認可保育所申込時には、フルタイム勤務が決まっていたのだが、結局自営のライターとしてやっていくことにした。勤務時間はあってないようなものだし、入所選考時の指数(前編参照)が何点になるのか想像もつかない。そこで、区の保育課に改めて相談してみた。12月の申請時は人であふれていたが、4月に行くと私以外は誰もおらず、職員もベテランの方が対応してくれた。その結果、「不安定な自営では認可保育園入園は難しいのでは」という最大の疑問も一発解消した。

具体的には

1.送り迎えの時間などを差し引いて、20点となる8時間以上の就労実態を確保するため、子供を9時間以上預けて働く。

2.自営の最大のネックは「収入」。都の最低賃金で換算した月収に届かなければ「趣味」とみなされ減点対象になってしまうので、その最低月収をキープする。

以上の2点さえクリアすれば、自営だから不利だということはないと分かったのだ。確かに、杉並区の調整指数項目を見ると、「就労状況(日時・時間等)に対して就労実績(収入)実績に整合性がない場合」は-2~-4となっている。会社の就業証明書がない自営は結局、いくら稼いだかという点のみが仕事をしているという客観的な証明になる。つまり、がんがん仕事をするしかないということだ。

これで基準指数は40点になるはず。あとは加点だ。ひとり親でもなく(そういえば、この加点をゲットするため偽装離婚する人もいるらしいと噂に聞いた)、未就園児の兄弟姉妹もいない我が家では加点の方法はただ1つ、「認可外保育施設に預けている実績」だ。2カ月以上で1点、6カ月以上で2点、1年以上で3点、1年6カ月以上で4点の加点がつく。幸い認証保育所に4月から入所できたので、来年4月入園の申し込みがある12月の時点で2点の加点がもらえることになるのだ(実際には選考会議開催月の初日現在での実績)。これは大きい!

なぜここまでして認可保育園にこだわるのかと言うと、やはり園庭が広いといった環境の良さだ。今通っている認証保育園には本当によくしてもらって不満はまったくないのだが、園庭がなく、3歳児以上は定員6人程度に減ってしまうのがネックだった。

私の持ち点である「42点」だと既存の保育園にはちょっと足りないと思われたので、新設の保育園を第一希望にすることにした。保育課のアドバイスもあり、幼保一体型の子供園、新設の3歳以上も入れる保育室も同時に申し込んだ。

"点数"にこだわって保活を進めた結果……

結果、年明け早々に何とか子供園から面接通知が舞い込んだ。これは、やはり異議申し立てをしてくれたママたちのおかげで、保育施設がどんどん新設されたことが大きかったと思う。保育課の職員も本当に親身になってくれた。

幸い私は何とか子供の預け先に困らずに済みそうだが、保活仲間の中には「扶養の範囲で働きたいが、パートだと基準点が低くなってしまって認可は厳しそう」と悩んでいるママがいたり、「基準点を上げるためにフルタイムの仕事に変えた」というママもいた。本来は子供のために預ける時間はできるだけ短くするほうがいいのに、保育所に入れるために仕事を増やさなければいけないおかしな現象……。とはいえ、ある意味公平さを確保するためには点数制は必要だというのもわかる。保育所の事情や選考基準は自治体によって異なるが、"点数"にこだわった私の経験が、子供の預け先に悩むママたちの参考に少しでもなればうれしい。

(文: エフスタイル桜糀はな)