1カ月前に立てた新年の抱負や決意がいつの間にか崩れ去っているという人はいないだろうか。決意を小さくすることで変化を持続させることができるとFORTUNEの記事「変化を長続きさせる7つのルール(原題:7 Rules for Making Changes That Last)」が伝えている。

まだ1年の12分の1しか過ぎていない。今からでも軌道修正は可能だ。目標は大きいほど難しいし、あきらめやすい。だから、小さな目標を立てようというのが記事の趣旨。筆者はこれを「マイクロ目標」と呼んでいる。

提唱したCaroline Arnold氏は、勤務先での実体験に基づき「Small Move, Big Change: Using Microresolutions to Transform Your Life Permanent」という本を出版した。

そこでArnold氏が実行したことは、「会議中はクッキーを食べない」というマイクロ目標だ。会社が従業員向けに用意するおいしそうなクッキーを、会議中に限定して食べないと決めたという。

注意点は、「クッキーを食べない」ではなく「会議中はクッキーを食べない」と小さくした点だ。「ダイエットする」「会議に集中する」などというあいまいで大きな目標ではなく、限定して具体的にすることで、Arnold氏はこれを守ることができたそうだ。最終的には、会議中ではなくても会社でクッキーを見ても手が伸びなくなったという。

さっそくマイクロ目標を活用したいところだが、記事ではいくつかの注意点を挙げている。

目標は簡単に

最初のポイントは、あいまいなものを避けて簡単に守れるものを目標にすることだ。

英語学習なら、通勤時間はリスニングの勉強をする、など習慣の中に入れやすい、ハードルの低いものからスタートしてはいかがだろうか。

1つのことが達成できるようになると、関連したほかの目標を立てやすくなるという。だが、後述するように焦りは禁物。まずは2ヶ月がかりで最初のマイクロ目標を確実にモノにしよう。

具体的なものを

「職場で上司からのフィードバックに対し、攻撃的な姿勢をとらない」というのは測定が難しい。これに対して、食べる・食べない、リスニングをする・しない、などと簡単にマル・バツを付けられるものは、効果が測定しやすく、持続していることを実感できる。

すぐに効果が測定できることで、自分自身を認め、励ますことができる。できたかどうかの測定が難しいものはマイクロ目標には不向きといえそうだ。

他人に依存するものはNG、個人で達成できる目標を

自分のクセ、自分の姿勢、自分の状況に合わせた目標をつくること。家族や友人、あるいは上司など他人や状況が達成に関与する目標はよくない。

「職場に遅刻しない」は交通事情に影響されるが、「家を○時に出る」「朝は○時に起きる」は自分一人の力で達成できる。

ポジティブに

私たちは前向きでポジティブなものに反応しやすい。「禁止するもの」について考えるよりも、その結果どんな良いことがあるのかにフォーカスしよう。

「会議中はクッキーは食べない」なら、「空腹の方が食事がおいしく食べられる」「スタイルがよくなる」などのポジティブな結果を見据えておこう。

そうすれば、会議中にクッキーを見て「たまにはいいか」と誘惑に負けるよりも、マイクロ目標を守る方にマインドを向けることができるはず。

リマインド

目標を立てていたことを忘れてしまったというのでは本末転倒だ。日常の習慣と関係あるものなら持続しやすい。

会議室に入ったら「会議中にクッキーは食べない」、あるいは電車に乗ったら「リスニング」と思い出せるようなマイクロ目標からスタートしよう。記事ではまた、マイクロ目標の数についても1つ、多くても2つまでとアドバイスしている。

Arnold氏によると、マイクロ目標がしっくりくるまでに4週間はかかるとのこと。習慣になるまでには6~8週間としている。時間がかかることを念頭に、小さな目標に取り組みたい。