ウォッチガードと京セラドキュメントソリューションズジャパンは2月5日、統合脅威管理(UTM)機器と複合機を連携し、中小企業のネットワークセキュリティ管理の課題解決を行なう「セキュリティーレポート連携パッケージ」を下旬より提供すると発表した。

UTMは脅威に対するセキュリティー機能だけではなく、ネットワーク機器としての機能、ネットワーク管理機能といったネットワークセキュリティーの機能を1つに集約している機器。これによって企業ネットワークの防御とコスト削減を実現できるとしている。

一方で京セラの複合機は、プリンターや複合機上で付加価値の高いアプリケーションを利用できるソフトウェアプラットフォーム「HyPAS」を提供。今回の連携パッケージはこのプラットフォームを利用して専用アプリの開発を行なった。

連携パッケージは、HyPASアプリケーションを複合機に導入してウォッチガードのUTMと連携させることで、「拒否パケットの詳細」や「ウイルス検知」「コンテンツフィルタリングブロック」「クライアントごとのWebアクセス一覧」「REDブロック」といったセキュリティー対策分析結果を出力できる。

PCを利用することなく、複合機の操作パネルから容易に出力できるだけではなく、グラフなど視覚的に分かりやすいレポートが出力できるため、「セキュリティ製品を導入したが、イマイチ効果が分かりづらい」といった経営層に対してもわかりやすくレポートを提供できる。

両社は同時に、導入支援から運用・保守までワンストップで提供する「セキュリティーマネージメントサービス」の販売も行なう。こちらは同日より販売を開始する。「セキュリティーレポート連携パッケージ」の価格はオープンで、「セキュリティーマネージメントサービス」は年額6万円。

UTMと複合機の連携でかんたんにレポート出力

ウォッチガードと京セラドキュメントソリューションズジャパンは同日、都内で記者説明会を行ない、ウォッチガード テクノロジー ジャパンで社長執行役員を務める根岸 正人氏と米WatchGuard Technologies CEO/Presidentのジョー・ワン氏、京セラドキュメントソリューションズジャパンの代表取締役社長である古賀 真氏が、同ソリューションの狙いを説明した。

ウォッチガード テクノロジー ジャパン 社長執行役員 根岸 正人氏

米WatchGuard Technologies CEO/President ジョー・ワン氏(右)と京セラドキュメントソリューションズジャパン 代表取締役社長 古賀 真氏(左)

初めに登壇したウォッチガード社長の根岸氏は、UTM製品のメリットを説明。「ベストインクラスセキュリティ」として、セキュリティベンダー各社のソリューションを組み合わせたモジュラー設計を採用する高付加価値アプライアンスを提供する同社のアピールを行なった。

従来型のファイアウォール市場は収縮していく一方、総合的な脅威対策となるUTM市場は2017年までの年平均で14.1%成長するとのIDC予測を引き合いに出し「高い成長率を誇る市場だが、ウォッチガード自身も更なる成長を果たしている。四半期売上高は過去最高を記録し、グローバルで23%、日本国内ではそれを上回る38%の成長率を達成した」と市場の成長以上に同社が支持されている点を強調した。

今回のセキュリティサービスでは、ターゲットを中小・中堅企業に定めている。米国の調査会社の調べでは、米国の大手企業でもログ収集が77%、定期的なログ確認は24%、リスクや脅威の発見にいたっては10%しか運用・管理が行えていない現状を説明。「セキュリティの可視化は重要。5項目のセキュリティレポートを複合機から簡単に閲覧できるようになることで、要点を明確に見られる」と語った。

続いて米WatchGuardのジョー・ワン氏が登壇。同氏も脅威管理の可視化の重要性を説いた上で「ウォッチガードの製品はどこのIPから攻撃を受けているのかマップで見ることができるし、攻撃だけではなく、従業員がどのようなサイトを見てるのか判別できる。ゲームサイトに30分行っていても大して問題は無いけど、6時間も行っていたら問題。生産性向上ツールとしても非常に有用だ」とUTM製品のメリットを強調した。

最後に京セラドキュメントソリューションズジャパンの古賀氏は連携サービスのメリットとマネージメントサービスの詳細を説明。マネージメントサービスは、運用に関するユーザーの問い合わせに対して遠隔サポートで対応。「訪問しなくては設定できないようなこともワンストップで提供する」(古賀氏)とした。