Motorola Mobility買収の目的

では、なぜいまLenovoがMotorola Mobility買収なのだろうか? 市場シェアを伸ばして上位3社に踊り出るため? どうやらそれだけではないようだ。Wall Street JournalにLenovo CEOの Yang Yuanqing氏へのインタビューと、買収でのカンファレンスコールをまとめたLive Blogがあるので、それを見てみよう。

まずMotorola買収により同社の世界のスマートフォン市場シェアは6%を突破するとのことなので、これでSamsungとAppleに続く3位のポジションは確定する。また買収の目的として、Lenovoはスマートフォン市場でのグローバルなプレイヤーになることを望んでおり、特に南北アメリカ地域で強いブランド力を持っているMotorola Mobility買収が適切だったというのだ。

先日、CESで筆者がLenovoのスマートフォン担当者に「日本を含む、中国や新興国以外の地域での製品展開はどうなるのか?」という質問をしたところ、「われわれとしては広く製品展開を行っていきたいが、キャリアとの関係もあるビジネスなので(そのままでは)難しい」という回答を得た。その意味で、Motorola Mobilityを傘下に収めることは、これまで米国市場へ進出していなかったLenovoにとって大きな足掛かりになる。Yuanging氏は「米国市場に参入する最も近道」だと表現している。またLenovoとしてはMotorolaブランドを残したままデュアルブランド戦略を進めるとのことで、今後の研究開発ではどうなるかわからないものの、当面はMotorola with Lenovoみたいな形でMotorolaを前面に出しつつ、拠点もそのまま維持していくことになるとみられる。