東京都港区のザ・プリンスパークタワー東京にて1月16日、NetApp関連技術の最新情報を紹介するイベント「NetApp Innovation 2014 Tokyo」が開催された。講演、展示ブースそれぞれ30以上用意された今年のNetApp Innovationだが、会場はどこも常時満員。来場した技術者の知的好奇心を満たし、成功裏に幕を閉じた。

先日掲載したレポートでは講演を中心にイベントの様子を紹介したが、今回は展示ブースに焦点を当ててみたい。当日用意されたブースの中から、多様なソリューションを紹介していた富士通ブースを取り上げ、その展示内容をご紹介する。

富士通ブースの様子

「テープバックアップ = 時間のかかる作業」は大間違い

NetApp Innovation 2014 Tokyoのソリューションショーケース会場(展示スペース)の中で、一際目立っていたのが、富士通ブースに設置されたテープバックアップ装置「ETERNUS LT270 S2」である。

富士通の展示ブースに設置されたテープバックアップ装置「ETERNUS LT270 S2」(クリックで拡大)

ETERNUS LT270 S2の内部。左右奥にぎっしりカートリッジテープが入る

高さ198cm、幅78cm、奥行き127cmの筐体には、最大713本ものカートリッジテープが収納できるという。LTO Ultrium6 カートリッジテープであれば、最大バックアップ容量は1782.5TB(1.7PB)。また、装置の冗長化も行われており、カートリッジテープの抜き挿しを行うロボットを標準で2台搭載している。

カートリッジテープの抜き挿しを行うロボット。目的のカートリッジテープの前まで移動して、アームで引き抜く

上部には冗長化用のロボットが待機している。普段は動かない

さらにこのETERNUS LT270 S2、複数台を連結することもできる。最大構成では8台を連結して稼働させることが可能。その際のカートリッジテープ数は最大5644本、バックアップ容量は14110TB(14PB)にもなる。

富士通 システムビジネス営業推進部 プロダクト拡販推進統括部 ストレージビジネス部 小野寺敦靖氏

製品を紹介した富士通 システムビジネス営業推進部 プロダクト拡販推進統括部 ストレージビジネス部 小野寺敦靖氏は、テープライブラリについて「最近では、コストや信頼性の面で再評価されはじめています」と解説。寿命がディスクの4~6倍であるため長期バックアップが可能なこと、省スペース/省電力なうえ、ビット単位あたりのコストが安く、大幅な経費削減につながることなどを紹介し、米国においては先進企業の活用事例が相次いで発表されていることを付け加えた。

さらに小野寺氏は、「テープバックアップというと、一晩かけて実行するイメージが強いかもしれませんが、それは一昔前の話です。最新のテープドライブ仕様である『LTO Ultrium6』では、データ圧縮時で400MB/秒、非圧縮時で160MB/秒の転送レートを実現しています」と明かし、バックアップはもちろん、リストアに関しても高速に終えられることを強調した。

テープバックアップのメリット