iPhoneのホーム画面は、そのひとじしんを映しだす"鏡"です。なにが好きなのか、なにを気にしているのかみてとれますし、そのひとの性格までみえてくることもあります。ここでは、女子のiPhoneのホーム画面から、化粧などの外見や男女の恋愛に関する心理に詳しい心理学者であり、大学教員の平松隆円氏が、持ち主の性格や心理、行動をプロファイリングします。本稿を参考にすれば、ホーム画面さえみることができれば、その女子の口説き方までわかるかも!? 今回は29歳の女性kさんのホーム画面です。

KさんとKさんのiPhoneのホーム画面全2枚

Kさん

1枚目

2枚目

3枚目

プロファイリングと解説

今回の女性ですが、1枚目のホーム画面をみたときに、「アレ?」と違和感がありました。このコラムをお読みのみなさんは、どうでしょうか?

1枚目

この女性、スケジュール系アプリを2つダウンロードしているんです(「ガチャスケ」と「SnapCal」)。カメラ系アプリを複数ダウンロードするのは、エフェクトの違いなどがありますから理解できますよね。ですが、スケジュール系アプリを2つも同時に利用することは、通常は考えられません(3枚目にフォルダー化されているデフォルトのカレンダ—も含めると3つもあることになります)。

「ガチャスケ」は有料アプリ、「SnapCal」は無料です。とりあえず「SnapCal」は無料だからダウンロードして使っていないというのであれば、他のアプリのようにフォルダに収納することも可能です。ですが、この女性は2つのスケジュール系アプリを、並べて配置しているんです。考えられることは、オンとオフの予定を別々のアプリで管理していることでしょうか。ですが、スケジュール管理という意味では、ダブルブッキングしたりするリスクもあり、すごく危険な気がします。

違和感という点では、もう一つ。「ガチャスケ」や2枚目の「ネコ日記」といった、どちらかといえばカワイイ印象を受けるアプリがある一方で、壁紙が紅葉の写真というちょっと渋めです。

2枚目

前回までの女性たちは、花や食べ物、動物の写真でした。極端に言ってしまえば、前回までの女性は、どことなく女の子らしいiPhoneでした。それが、今回の女性のiPhoneは「ガチャスケ」と「ネコ日記」、そして1枚目にフォルダ化されている「ルナルナ」さえなければ、持ち主が男性か女性か、判断がつかないのではないかという印象です。カメラ系アプリやゲーム系アプリにも、特に女の子らしいものがないですよね。

もしかしたらこの女性は、あまりにも、じぶんが女の子扱いをされることを嫌うタイプかも知れません。かといって、100パーセント女の子扱いされないことも、嫌だという矛盾があるのかも。それが、「ガチャスケ」と「SnapCal」という2つのカレンダーアプリにあらわれているような気がします。であるならば、あまりにも女性扱いをするような関係は、むしろ逆効果かも知れません。ここぞというときにこそ、彼女を女性としてリードしてあげる方がいいのではないでしょうか。

ところで2枚目に不動産・住宅情報サイト「SUUMO」のアプリがあります。そろそろ引っ越しを考えているのでしょうか。「TOEIC英単語」も見受けられますから、このあたりを会話のトピックスとして、コミュニケーションのきっかけにしてもいいのかも知れませんね。

平松隆円…化粧心理学者/大学教員
1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。国際日本文化研究センター講師や京都大学中核機関研究員などを経て、現在はタイ国立チュラロンコーン大学講師。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。よそおいに関する研究で日本文化を解き明かしている。NTV『所さんの目がテン! 』、CX『めざましどようび』、NHK『極める 中越典子の京美人学』など番組出演も多数。主著『化粧にみる日本文化』(水曜社)は関西大学入試問題に採用されるなど、研究者以外にも反響をよんだ。ほかに『黒髪と美女の日本史』(水曜社)など。