2014年、スマートフォンにどんなことを期待したらいいのだろう。端末の進化?ウェアラブルデバイスとの連携? それとも別のところに? ライターの海上忍氏に「2014年スマートフォンに期待すること」を綴ってもらった。

「メモリ」の重要性

2013年に発売されたスマートフォンには、いくつかの傾向が見られる。マルチタッチ液晶やリチウムイオン(ポリマー)バッテリー、位置情報の検出などに用いられる各種センサー類はもはや"お約束"として、「高精細(Retina)」および「5インチ超」のディスプレイが明確なトレンドとして新たに加わった。

そしてディスプレイの微細化/多画素化は、並行して進められてきたメモリーバンド幅拡大を抜きには語れない。どちらかといえば容量が注目されがちなスマートフォンのメモリだが、2013年発売のスマートフォンに搭載されるLPDDR(待機時の消費電力を抑えたモバイル機器向けDRAM)がLPDDR2からLPDDR3へと急速にシフトしたように、ここ数年でバンド幅は右肩上がりに拡大していることはディスプレイの進化と無縁ではないのだ。

5月頃から量産が開始されたモバイルメモリ「LPDDR3」は、年後半に発売された多くの端末に採用された(写真はSONY Xperia Z1 SO-01F

iPhoneを例に説明してみよう。iPhone 3GSでは1.6GB/sだったメモリーバンド幅が、画素数4倍となったRetinaディスプレイ搭載のiPhone 4では3.2GB/s秒に拡大。iPhone 4Sでは6.4GB/s、iPhone 5では8.5GB/s、iPhone 5sでは12.8GB/s……と、倍々ゲームの勢いで拡がっている。