アートショットの新機能「宙玉」(そらたま)は、スマートフォンのアプリで話題となった撮影機能だ。被写体を閉じ込めたガラス球が空に浮いているかのような、不思議な写真を撮ることができる。

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「宙玉」の撮影サンプル。スタイルを3段階から選ぶことができ、背景の拡大率が変化する。抽象的な被写体の方が不思議感が増すようだ

宙玉は動画で撮影しても面白い。歩きながら石畳の路面を撮るだけで、まるで岩が転がっているかのような動画になる。

【動画】「宙玉」動画サンプル1

発想を逆転させて、それ自体が動いている被写体を撮ってみた。では、ここでクエスチョン。次の動画は、いったい何を撮影した宙玉動画でしょうか?(正解は動画の終盤で分かるはず)。こんなふうに、家族でちょっとしたクイズ遊びをしても楽しいのではないだろうか。

【動画】「宙玉」動画サンプル2

スペックアップした光学系の効果がハッキリ分かる

ZRシリーズ以降、ずっと1/2.3型センサーを採用してきたEXILIMシリーズにあって、EX-10は久々に1/1.7型と大型の裏面照射型CMOSセンサーを搭載したモデルである。同時に、レンズも広角端の開放値がF1.8、4倍ズームの望遠端でもF2.5と、このクラスでは最高峰の豪華装備といっていい。これは完全に推測だが、レンズはその仕様から、おそらくオリンパスのXZシリーズでも使用されている「i.ZUIKO DIGITAL」と思われる。

この豪華光学系と、1/1.7型にして1,210万画素という受光面積に余裕のあるセンサー、新たにチューニングされた映像エンジン「エクシリムエンジンHS Ver.3アドバンス」のコンビネーションにより、カメラとしての基本性能が大幅にアップしていることも見逃せない。

その効果が如実に表れる、ハイスピード合成系の作例をご紹介しよう。立体感の増したHDRアート、輪郭再現と背景ボケがより自然になった背景ぼかし、ノイズが格段に減ったHSナイトショットなど、EXILIMが持っていた良さがよりいっそう引き出されていることを、ぜひ等倍表示で実感していただきたいと思う。

EXILIMのスタンダードな機能として定着した「HDRアート」は、表現の繊細さに磨きがかかった印象(原寸大画像を見る)

明るいレンズと受光面積の広さで、ISO感度アップを抑えられるようになった「HSナイトショット」。まるで昼!(原寸大画像を見る)

ちなみに、こちらが実際(見た目)の明るさに合わせてマニュアル撮影したもの。現場はこんなに暗いのだ!

アートショットの「トゥインクルショット」は、芸術的表現力の向上を感じさせる(原寸大画像を見る)

プレミアムオートProが紡ぎ出す画も、より見た目に忠実に調整されている印象だ(原寸大画像を見る)

高度な撮影技術がなくとも、自分の意志を込めた写真を撮影できるプレミアムブラケティング。それが便利で楽しい機能であることは、間違いない。が、それらの撮影機能を支えるカメラとしての堅実な底力の向上こそが、「ハイスピードEXILIMのフラッグシップ」であるEX-10の最大の魅力であることを忘れてはならないだろう。