12月12日、MicrosoftからGmailの電子メールデータや連絡先、ラベルなど各種データをOutlook.comにインポートする機能がリリースされました(関連記事)。さらに、Gmailで受信するメールをすべてOutlook.comに転送し、電子メールの差出人アドレスをGmailアカウントに変更するよう設定することで、Gmailアカウントを保持しながらOutlook.comの利用が可能になりました。今回はすでにGmailを利用し、Outlook.comの電子メールアドレスを取得していることを前提に、その移行手順を解説していきます。

Outlook.comにGmailのデータをインポートする

まずは、Outlook.comにアクセスして、Microsoftアカウントでサインインしましょう。この際利用できるのは、outlook.com、live.com、hotmail.com、msn.comのドメインを持つ電子メールアドレスです。それ以外のドメインを使っている場合は、サインイン後に画面右上にある「歯車アイコンのボタン」→<メールの詳細設定>→<Outlookエイリアスの作成>とクリックして、outlook.jpなどのドメインを持つ電子メールアドレスのエイリアスを作成しましょう(図01~02)。

図01 Outlook.comにアクセスし、Microsoftアカウントでサインインします

図02 Outlook.comにサインインしました。今回は「~@outlook.com」のMicrosoftアカウントを利用しています

インポートを実行する前は、Gmailのラベルの整理が欠かせません。電子メールの振り分けにはフォルダーを使うのが一般的ですが、Gmailでは"ラベル"を利用して分類します。

フォルダーによる振り分けでは、1通の電子メールを(ファイルのように)実体として扱うため、異なる2つのフォルダーに保存する場合は元の電子メールをコピーする必要があります。

一方、Gmailのラベルによる整理では、1通の電子メールに複数のラベルを(タグのように)付加できるため、元の電子メールをコピーすることなく「ラベルA」にも「ラベルB」にも分類することが可能です(図03)。

図03 フォルダーとラベルの違い

そのため、Outlook.comのインポートツールを利用してGmailのデータを取り込む場合、複数のラベルを付けた電子メールがラベルの数だけコピーされることになります。ディスク容量を無駄に消費しないためにも、インポート前に下記の手順で、Gmailの不要なラベル整理しておくことがポイントです(図04~06)。

図04 WebブラウザーでGmailにアクセスし、<設定>ボタン→<設定>とクリックします

図05 「ラベル」をクリックし、不要なラベルの<削除>をクリックします

図06 確認をうながすメッセージが現れます。<削除>ボタンをクリックしてください

それではOutlook.comに戻り、画面右上の「歯車アイコンのボタン」から<メールの詳細設定>をクリックして、下記の手順でインポートツールを実行しましょう。図09の<Google>をクリックする際、環境によってインポート対象となる電子メールアドレスが示されることもあるようです(図07~09)。

図07 「歯車アイコンのボタン」から<メールの詳細設定>をクリックします

図08 オプションの一覧から<メールアカウントのインポート>をクリックします

図09 インポート対象となるアカウント<Google>をクリックします

これでインポートの実行をうながすメッセージが表示されますが、<オプション>をクリックすると電子メールのインポート方法を2種類から選択できます。前者はOutlook.comのフォルダー構造を優先しながら、ユーザーがGmailで作成した独自のラベルを新しいフォルダーとしてインポートするというもの。後者はGmailの構造をそのまま、Outlook.comの新しいサブフォルダーとして作成するものです。通常は前者が選択されていますので、Outlook.comへの移行を前提としている場合はそのまま実行してください(図10)。

図10 メールのインポート選択をうながされます(画面は<オプション>をクリックした状態)。通常はそのまま<開始>ボタンをクリックしてよいでしょう

次にGoogleアカウントへのアクセス許可を求められます。インポートツールでは、電子メールアドレスや連絡先といったデータへのアクセスが必要となりますので、そのまま<承認する>ボタンをクリックしてください。これで、インポート処理が始まります。所要時間はGmailのデータ容量やインターネット回線の状況によって異なりますが、完了までかなりの時間がかかります(図11)。

図11 Googleアカウントに関する設定を求められます。<承認する>ボタンをクリックしてください。これでインポートが開始します