NTTドコモでは、2015年までの中期ビジョンとして「スマートライフのパートナー」の実現を掲げて、日常のあらゆるシーンで、利用者の生活をサポートする取り組みを拡充するとしている。この取り組みのひとつとして、スマートフォン向けコンテンツ配信サービス「dマーケット」で、10月30日からは新サービス「d fashion」の提供を開始している。

d fashionは、ドコモとファッション通販サービスのマガシークが共同運営する通販サービス。サービス開始当初で約450ブランド、約40,000点の洋服・アクセサリーを取り揃えるなど本格的なファッション通販サイトとなっている。

携帯キャリアのドコモとファッション通販サイトという組み合わせはあまりイメージしづらい。いったいどんな特徴を持ったサービスなのだろうか? そこで、マガシーク 取締役戦略本部長の原田由佳氏にd fashionについて聞いてきた。

d fashionとは? マガシーク取締役戦略本部長の原田由佳氏に話を聞いた

―― d fashionを開始した意図を教えてください。

スマートフォンの普及もあり、インターネットで通販サイトを利用する人は増えています。ドコモの約6000万人を超える利用者のライフスタイルに合ったファッションを提案していきたいという思いから、d fashionはスタートしました。サービスインしてまだ1カ月ほどということで、今はお客様の利用動向などを調査しながらサービスを展開しています。

―― 取り扱う商品について教えて下さい。

マガシークの商材を母体にしており、400を超える幅広いブランドを取り扱っています。マガシークでは女性の利用者が多いのですが、d fashionでは想定以上に男性の利用者も多く見られます。来年度からは、子供服の取り扱いも開始する予定です。

d fashionの利用イメージ。写真をスライドさせて様々な角度からの商品画像を確認できるなど、スマートフォン/タブレットでの使いやすさを重視したサイトデザインとなっている

―― 競合する通販サイトとの差別化について教えて下さい。

d fashionでは、様々な切り口でファッションの提案を行っていく考えです。ブランド、アイテム、コーディネート、セール、シチュエーション、テイスト(クール、可愛いなど)といった見せ方の中から、利用者に響くアプローチを探っています。年末のセール期に向けて、これからが勝負かなと思っています。

―― ドコモのサービスとして提供する利点を教えて下さい。

ドコモユーザー向け認証サービス「docomo ID」が使えるため新規に会員登録をする手間が省ける、ドコモポイントが使える/ 貯まる、ケータイ払いの決済システムが利用できることなどです。お客様がショッピングを行う上でのハードルが低くなることを期待しています。

―― 安心・安全といった面で配慮されているとのことですが、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか。

配送がしっかりしているか、トラブルにきちんと対処できるかということに気を遣っています。地道なことの積み重ねが、進化につながっていくと感じています。

―― どのようなユーザー層に向けてサービスを展開されているのでしょうか?

幅広い利用者に、様々なシーン・シチュエーションで着用できるファッションを提案しています。大手の通販サイトをまだ利用していない、ライトユーザーの方にも気軽に使っていただけるサービスを提供したいと思っています。現状では30代が最も多く、20代と40代にも利用者の裾野が広がってきています。今後は10代の方にも購入できる価格帯のもの、50代以降の方にも着ていただける商品を用意していく考えです。

―― 今後の展望を教えてください。

まずは年末年始の本格的なセール期に、お客様にいかにアプローチできるかですね。マガシークでは取り扱っていなかったような新ブランドも、随時追加していきます。立ち上げ後、今日までに既に2、3のブランドが追加されました。ラインナップを増やし、ニーズに応えていくことでファンを増やしていくということが大事だと思っています。

まずは品揃え、価格帯などを見ていただければ。ドコモポイントの利用、ケータイ払いなどの簡単に商品を購入できるシステムを利用いただければ、d fashionの魅力がご理解いただけるでしょう。

――本日はありがとうございました。

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今回、原田氏に話を聞き、d fashionには、docomo IDの活用や携帯独自の決済システムへの対応など、携帯キャリアが提供することでさまざまな利点があることがわかった。原田氏によれば、今後はドコモの提供する他のサービスや、ドコモグループの他の企業との提携も視野に入れているという。例えば「dトラベル」と連携し旅行に最適なコーディネートを提案する、アーティストやコミックのキャラクターと連動したコラボ商品を展開するなどが考えられている。原田氏は「様々なサービスと連携しやすいのが、ファッションという分野」と語り、今後の積極的な事業展開に意欲を示していた。今後もd fashionの動向に注目だ。