イオンは12月16日、12月20日にグランドオープンするイオン幕張新都心店(千葉県千葉市)をプレス向けに事前公開した。イオン幕張新都心店は、敷地面積19万2,000平方メートルで延床面積は約40万2,000平方メートル(立体駐車場含む)。イオンの中では最大級のショッピングモールだ。

イオン幕張新都心店

イオン幕張新都心店 全体イメージ

内部は、「大人」のライフスタイルモールの「グランドモール」、 「ファミリー」のライフスタイルモール「ファミリーモール」、「スポーツ&家電」のライフスタイルモール「アクティブモール」、「ペット」のライフスタイルモール「ペットモール」に分かれ、日本初上陸、関東地区初出店を含む初ブランド・新業態91店舗、千葉県初出店85店舗を含む、約350の専門店が入る。

店舗内部

同店舗では、ソフトバンクテレコムとヤフーが提供する「ウルトラ集客」との連動を強化しており、スマートフォンのカメラを商品のPOPなどにかざすだけでレシピが表示される独自アプリ「撮って!インフォ」のほか、電子マネーサービス「WAONサービスアプリ」、店内で無料インターネット接続を利用できる「イオンWiFi」サービスを提供するなど、スマートフォンやタブレットを活用したさまざまなオムニチャネルの取り組みが行われている。

POPにスマートフォンかざすとレシピを表示

「撮って!インフォ」では、顧客のスマートフォンを商品のPOP等にかざすと、その商品を使ったレシピが表示されるというもの。これには、POPの商品だけでなく、料理で使う材料も一緒に買ってもらうという狙いがある。このアプリは、イオンが提供している「イオンお買物」アプリの新機能として利用でき、今後は、ネットスーパーとの連動やプッシュ型の買い得情報の配信、駐車場検索のサービス等にも取り組んでいくという。

「撮って!インフォ」。店内の商品にスマートフォンを等にかざすと、その商品を使ったレシピが表示されるというもの

「撮って!インフォ」のアプリ(左)と取得したレシピ(右)

スマートフォンによる電子スクラッチ、新春おみくじ

WAONサービスアプリは、スマートフォンからWAONの買物・チャージ履歴紹介やポイント残高の確認、各種のキャンペーン情報、WAON加盟店の地図情報などの機能を提供。さらに、「アプリdeビンゴ」や電子スクラッチ、新春おみくじなどゲーム性を備えると共に、「Yahoo!検索」と連動したクーポンや各種情報なども提供する。これらには、GPS機能を使って、その店舗内でないと利用できないものもあり、来店誘導の効果がある。

WAONサービスアプリ

WAONの買物・チャージ履歴紹介

電子スクラッチが当たるとクーポンがもらえる

店頭にない商品の取り寄せに対応

そのほか、店舗に品揃えしていない商品も取り寄せ・店頭受け取りができる「タッチ・ゲット」サービスを、ワイン、ホームファッション、ベビー用品から開始する。店内にイオンのタブレット端末「A touch Ru*Run」を40台配置して、タブレット端末を活用した買い物環境を提案。注文した商品の受け取りは、店舗、自宅のどちらでも選択可能。これにより、店舗内に在庫がない商品でも注文できる。値段も店舗が一律割引きを提供しているセール日であれば、その価格が適用される。

「タッチ・ゲット」。ワイン、ホームファッション、ベビー用品の3つがある。アプリは今後拡大していく予定

ワインは国、あじわい、産地、値段などの条件で検索できる

「タッチ・ゲット」サービスは、イオン幕張新都心店を皮切りに、システムや物流のグループ機能を活用し、順次GMS約500店舗で展開する計画で、その後、2016年度までにマックスバリュをはじめとするSM約1,100店舗、ミニストップやまいばすけっとなど約2,500店舗で注文商品の受け取りが可能となる予定だという。

デジタルサイネージの音に反応して商品情報を表示

「イオン サウンドキャッチ」は、店内に設置されたデジタルサイネージから出力される音をアプリが検知すると、オススメ商品の情報をスマートフォンに表示するというもの。現在は、吉本の芸人が商品を熱く語るという嗜好になっている。やり方は、今後いろいろ試していくという。

「イオン サウンドキャッチ」。検知する音はスピーカーから流れる音ではなく、人間には検知できない特殊な音を使っているという。半径5mくらいで有効だという

デジタルサイネージ付き自販機でクーポンを取得

デジタルサイネージ付き自販機で、クーポンを取得する試みも行われる。購入後、アプリを立ち上げ自販機にかざすとクーポンが取得できる。取得したクーポンはハッピーゲート端末で、スマートフォンをかざすことで、印刷できる

デジタルサイネージ付き自販機で、クーポンを取得

ハッピーゲート端末。クーポンの印刷以外にも来店ポイント取得にも利用される

印刷したクーポン

テーブル型端末で新たなコミュニケー-ション

お酒の販売を行うAEON LIQUORでは、タッチ操作対応のテーブル型端末を設置。ワインの情報を表示するディスプレイとして利用している。ワインの底には、QRコードが貼られ、ワインをテーブルの上に置くと、産地、味など、ワインの情報を取得できる。画面を見ながら店員に相談するなど、新たなコミュニケーションツールとしての利用も期待されている。

AEON LIQUORに置かれたテーブル型端末。ワインをテーブルの上に置くと詳細な情報が表示される

コンビニサービスなども導入

そのほか、コンビニでは当たり前の公共料金などの各種支払いへの対応やマルチコピー機、ローソングループのネットサービス端「Loppi」も導入。また、ビデオ会議を使ってオペレータを呼び出し、旅行相談や予約ができる仕組みも取り入れている。

各種支払いへの対応

マルチコピー機

「Loppi」

オペレータを呼び出し旅行相談や予約ができる端末

今後は、顧客が所有するスマートフォンやタブレット端末、パソコンとの連動も図り、店外からも利用できるように対応する予定で、さらに対象商品を拡大し、実店舗・ネットの融合を図っていく。