米携帯キャリア第3位のSprintが、ライバルで第4位のT-Mobile USA買収に向けて動き出したと、米Wall Street Journalが12月13日(現地時間)に報じている。Sprintは現在ソフトバンク傘下にあり、今年2013年夏にはClearwireを吸収して数々のMVNOとともに米国でWiMAX (TD-LTE)サービスを提供する唯一のキャリアとして君臨している。この買収が米国市場ならびにソフトバンクにとってどのような意味を持つのか、考察していきたい。

WSJが関係者の話として伝えるところによれば、Sprintは関連当局の動向をうかがいつつ来年2014年前半にも買収提案をスタートさせる見込みで、その金額規模は少なくとも200億ドル以上となり、あとは同社がT-Mobileの株をどこまで買い進めるのかにかかっている。この報道を受け、13日の米国株式市場の終了時点でT-Mobile USA (NYSE: TMUS)の株価は前日比8.65%プラスの27.64ドルまで急上昇している。この13日終了時点のT-Mobile USAの時価総額は220億ドル規模だ。

Fiercewirelessによれば、Strategy Analyticsがまとめた2013年第2四半期時点の米国携帯キャリアの契約者数とその順位は下記の表の通りとなる。Verizon WirelessとAT&Tの2社が契約者数1億を超えるメガキャリアで、第3位のSprintはその半分未満の契約者数で大きく離された状態だ。つまり米国ではシェアの3分の2をトップ2が握っており、中堅グループで2社、残りのそれ以外といった感じだ。SprintによるClearwire買収は集計後の9月に完了しているため、実際の契約者数はSprint+Clearwireとなる。また第2四半期時点の集計では、T-Mobile USAのシェアは合併したMetro PCSの契約者数を含んでおり、総契約者数でSprintに肉迫した状態となっている。

順位 キャリア名 契約者数
1 Verizon Wireless 1億1819万4000
2 AT&T 1億788万4000
3 Sprint 5325万8000
4 T-Mobile USA 4401万6000
5 Clearwire (Sprint) 915万
6 US Cellular 496万8000
7 Leap Wireless (Cricket Wireless) 483万9000