産業環境管理協会と日本経済新聞社が主催する「エコプロダクツ展 エコプロダクツ2013」が、2013年12月12日~14日に東京ビッグサイトで開催された。エコプロダクツ展は、環境ビジネスや技術ノウハウ、ライフスタイルなどを集めた総合環境展示会。1999年にスタートし、15回を迎えた今回のテーマは「『今』つくる 地球の『未来』」。ここでは、家電製品に関した展示を中心に紹介する。

エコプロダクツ2013の会場の様子

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「霧ケ峰 Zシリーズ」で節電大賞を受賞 - 三菱電機ブース

エコプロダクツ大賞は、優れた環境性能を持つ製品・サービスを表彰するもの。2004年からスタートしており、今回で10回目となる。農林水産・経済産業・国土交通・環境の各大臣賞(大賞)のほかに、エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞(優秀賞)があり、さらに8回目以降、東日本大震災の影響で電力需給が逼迫したことを踏まえ、特別賞として「節電大賞」「節電優秀賞」が新設された。

エコプロダクツ部門で76件、エコサービス部門で16件の応募があり、11月26日に結果が発表されている。

三菱電機では、2013年11月に発売された「霧ケ峰 Zシリーズ」がエコプロダクツ部門の節電大賞を受賞しており、ブースにはその体験コーナーが設けられていた。Zシリーズは、サーモグラフィーによって、体の表面温度を測定し、快適さと節電を両立させるエアコン。従来でも、その部屋に人がいるのかどうかを検知し、人の活動量に合わせて空調を行うことで、節電を行うエアコンは存在した。しかし、体の部位ごとの温度を測定してピンポイントに温度調節を行うエアコンは業界初となる。

エコプロダクツ部門の節電大賞を受賞

体験コーナーでは、Zシリーズが搭載しているセンサーがどのように温度を把握しているのか、その結果どのように運転が行われるのかのデモが行われていた。

3,008ブロックの解像度で、0.1°C単位で体の温度を細かく測定。343億通りの気流制御で、ピンポイントな温度調節が可能だ

また、LED照明「MILIE」も展示。MILIEは、2012年10月にスタートした三菱電機グループの照明ブランドだ。

「MILIE」ブランドのLED照明

エコナビ製品と太陽光発電 - パナソニックブース

パナソニックブースのメインの展示は、太陽光発電モジュール「HIT」を中心としたソリューションと、エコナビ製品だ。HITは、ハイブリッドタイプの太陽光パネル。発電量が国内トップクラスの高さで、モジュールの出力は20年間保障されている。ブースでは、パナホームの住宅「カサート エコ・コルディス」の屋根部分の実物大モデルが展示されていた。

HITパネル関連の展示が中心

また、エコナビ製品に関してはフルラインナップを展示。エコナビは、センサーによる制御で、ユーザーの手を煩わすことなく省エネ・省資源を行う機能。製品によって、使用されているセンサーや動作は異なる。ブースでは、各製品でどのような制御が行われているのか、パネルで紹介されていた。

エコナビ製品の全ラインナップを展示

汚れがつかない洗濯機 - 東芝グループ

東芝グループのブースは、「Natural Resources(資源)」「Energy(エネルギー)」「Water(水)」「Substance(化学物質)」の4つのテーマに分けて、展示が行われていた。

家電製品のカテゴリーでは、Waterのコーナーに展示されていたドラム式洗濯機「TW-Z96X1」が展示の中心。TW-Z96X1は「マジックドラム」と呼ばれる洗濯層を採用したモデル。マジックドラムは、洗濯層に親水性のコーティングを施すことで、水を流すだけで汚れが落ちるというもの。洗剤カスや皮脂などがたまりやすい洗濯層の裏側も、層洗浄コースを使用しなくてもキレイなままキープすることができる。ブースには、実際に汚れをつけて水を流す体験コーナーが設置されていた。

汚れがつかない洗濯層「マジックドラム」

また、ルーヴル美術館「モナ・リザ」展示用LED照明システムなど、東芝ライテックのLED照明も展示。なお、同社の画像人感センサーを活用した次世代照明制御システムは、エコプロダクツ対象のエコサービス部門で、経済大臣賞を受賞している。

東芝ライテックのLED照明

経済大臣賞を受賞

VRでトナー再生の工程を体験 - キヤノン

キヤノンブースは、中心に同社の環境活動を紹介する「キヤノンecoシアター」を配置し、その周囲に設計・生産・物流・使用・再生などの各工程での環境活動を紹介するコーナーが設けられていた。再生コーナーでは、インクカートリッジやトナーカートリッジのリサイクルについて紹介するとともに、リサイクルの工程をVRで体験できる「MRステージ」が用意されていた。

リサイクルの工程をVRで体験

また、インクジェットプリンタ「PIXUS MG7130」の省電力モードや、レーザープリンター「Satera LBP7110C」の省エネ構造などを紹介するコーナーも設けられていた。

プリンタの省電力構造を紹介するコーナー

家電メーカーの出展は昨年よりも減少

家電製品は、環境性能、特に消費電力の少なさがダイレクトに性能を示す指標のひとつになる製品だ。しかし今年のエコプロダクツは、2012年に比べて家電メーカーの出展が減少している。よく名前を耳にする大手家電メーカーでみると、2012年は三菱電機グループ・富士通グループ・東芝グループ・日立グループ・NECグループ・パナソニックグループが、そしてAV機器メーカーでは、JVCケンウッド・パイオニア・ソニーが出展していた。一方で2013年は、これらのうち家電メーカーでは日立グループが、そしてAV機器メーカーは、JVCケンウッド・パイオニア・ソニーの3社とも出展を見送っている。家電的には少々さびしい開催となってしまった感がある。