2009年からスタートした仮面ライダー同士の豪華共演とバトンタッチを描く『MOVIE大戦』シリーズの最新作となる特撮映画『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』が、12月14日より全国公開された。

『仮面ライダー×仮面ライダー 鎧武&ウィザード 天下分け目の戦国MOVIE大合戦』より

本作は、記念すべき『MOVIE大戦』シリーズの5作目にして、史上最大のスケールで描かれる豪華絢爛・一大バトル絵巻――そして、脚本に『魔法少女まどか☆マギカ』シリーズで知られる虚淵玄氏を起用し、「フルーツ」と「鎧」がモチーフと「平成ライダー」15年の歴史をたどっても類を見ない異色作として話題をかっさらった『仮面ライダー鎧武/ガイム』初の映画でもある。

この記念すべき映画に、劇中で天下統一を目指す「イエヤス」役として映画初出演を果たしたJOY。今年のバラエティで大車輪の活躍を見せていた彼は、意外にも「映画の現場は怖いんだろうなというイメージ」と話しており、映画には及び腰だったという。そうした中で、役者としての第一歩となる「イエヤス」を、彼はどう演じ、何を感じたのか。また、日本が世界に誇る"特撮"の撮影現場をどう見たのか。テレビで見せる快活なテンションをベースに、時折ナイーブな面を交錯させながらJOYはゆっくりとした口調で語っていった。

JOY
1985年4月15日生まれ 群馬県出身
高校卒業後にモデルとして、2009年秋よりタレント活動を本格化。バラエティを中心に活躍し『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)、『ジェネレーション天国』(フジテレビ系)、『ダウンタウンDX』(読売テレビ/日本テレビ系)、『スーパーサッカー』(TBS系)などの番組に出演
撮影:荒金大介(Sketch)

――映画初出演おめでとうございます! 初出演のオファーというのは、最初で最後、2度とない感覚だと思いますが、率直にどんな気持ちでしたか?

ありがとうございます! いやービビりましたね。一度ミュージカルはやりましたけど映像の芝居経験はない……もちろん、やってみたいという気持ち、うれしさもありますが、いざこうやって話がくると、大丈夫かな、こえーなっていうビビリしかないですよ。怖さがどうしても勝ってしまう。本当に知らない世界に飛び込むわけですから。どうしようどうしよう……と。なんとかなかったことにできないのか! って。

――(笑)。キャスト発表時のコメントにも「映画の現場は怖いイメージ」とおっしゃっていました。

そうです、怖いイメージ。芝居の世界ってピリピリしているイメージがあるでしょ? 去年のミュージカルの演出家も超怖かったんですよ。自分の中でけっこう恐ろしく脳裏に焼きついていて、もうとにかく芝居の世界やべー! って印象が前に出てくる。それがきっかけでお芝居をもっと学びたいと思ったんですがね。(ミュージカルよりも)スケジュールはきつきつだし、みんなピリピリイライラしていて、もう四方八方であらゆる暴力が繰り広げられているんじゃないかって(笑) それくらいデンジャラスなイメージがありました。だから相当な覚悟をもって今回の『仮面ライダー』の現場に入りましたが――これがもう、めちゃくちゃ和気藹々(笑)。助かった! よかった! と。初日で一気に安心感が全身を駆け巡りましたね。もうビビっていた自分がもったいないというくらい楽しかった……それが撮影を終えた率直な印象です。

――佐野岳さん(仮面ライダー鎧武/葛葉紘汰役)とは、現場でもかなり仲良くなったようですね。

岳は特にそうでしたね。自分っぽさが一番出せていたかもしれない。もちろん最初は小声でね……(笑)。当然現場ではふざけるわけにはいきませんから、どこまでノリを出して行っていいのか計らなければならないですし、小出しにしていった感じですね。

――本作は平成ライダー15周年という記念すべき作品ですが、JOYさんの『仮面ライダー』のイメージとはどういうものでしょうか。

『仮面ライダー』というのは、やはり男の子、子供たちのヒーローですから、先ほどのように映画に対する多少の恐怖心があったとしても、ライダーにはポジティブなイメージしかないです。恐怖とは別に、この世界に僕が飛び込めるんだっていう想いも強くありましたね。

リアルタイムで見ていたのは子供の頃だったから具体的なタイトルまでは覚えていないけれど、地元のショーも見に行ってました。最近だと数年前に瀬戸くん(瀬戸康史/仮面ライダーキバ・紅渡 役)が出演した『仮面ライダーキバ』のライブを渋谷duoに見に行きましたね。そりゃもう、かっこよかったし、すごく楽しかった。

――そうして挑んだ特撮の撮影現場には、独特な空気があったと思います。

もちろん映画自体初めてなので他の現場はわからないし、役者として何もかも新鮮に映ってしまうんですが、とにかくワンシーンにかける時間と熱量には驚かされました。言うまでもなく僕はいち視聴者でしかなかったので、映画やドラマにどれだけの手間がかかっているかはわからない。わからないけど、ワンシーンひとつに対する準備、あらゆる角度からの撮影、特撮には独特のこだわりがあるように感じます。特撮といえば、の「爆発」もワンシーンだけ参加しましたが、本当に度肝を抜かれましたよ。

(C)石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映