説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneで「電子マネー」は使えないの?」という質問に答えます。

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iPhoneには、日本の電子マネー規格に採用されている技術(Felica/NFC)に対応したICが内蔵されていません。それら技術はハードウェアに依存しますから、アプリでは解決できません。ハードウェアレベルで対応しないかぎり、iPhone単独で電子マネーを利用することはできないでしょう。

しかし、電子マネー対応ICを内蔵した周辺機器があれば、事情は少々変わってきます。周辺機器側で電子マネーとの通信を行い、その情報をiPhoneに伝えることができれば、電子マネーを間接的に利用することが可能になります。

実際、そのような周辺機器やアプリが登場しています。SONYが2013年秋に発売した非接触ICカードリーダー/ライターPaSoRi(パソリ)「RC-S390」は、iPhoneとBLE(Bluetooth Low Energy)接続することで、いつでも対応する電子マネーの残額や利用履歴を表示できます。電子マネーの種類によっては、オートチャージすることも可能です。

RC-S390の利用には、Bluetooth Low Energyに対応した端末(iPhone 4S以降)とiOS 6以降のシステムが必要です。RC-S390を持ち歩かなければなりませんが、「パソリユーティリティ」など対応アプリを利用することで、楽天Edyやnanaco、WAON、Suica(PASMOなど交通系ICカード含む)といった電子マネーの残高確認や利用履歴の表示をiPhoneから行うことができます。

チャージに対応したアプリも公開されています。たとえば「楽天Edy」は、RC-S390を用意することで、クレジットカードからの手動チャージをiPhone側から行うことができます。Android端末のように、1台の端末で電子マネーとしての機能を完結させることはできませんが、チャージが可能であれば使い勝手は改善されることでしょう。

写真で解説

非接触ICカードリーダー/ライターPaSoRi(パソリ)「RC-S390」を利用すれば、iPhoneから各種電子マネーの残高や利用履歴を確認できます(画面はアプリ「パソリユーティリティ」)

楽天Edy向けには、クレジットカードからの手動チャージが可能な専用アプリが用意されています(画面はアプリ「楽天Edy」)