--- モバイルへの対応も進めていくとオープニングセッションで言及されましたが、iOSデバイス以外もターゲットにしていくと考えていいでしょうか。

ルケイツ Android版のFileMaker Goの計画はありません。一方、WebDirectは今後、さまざまなブラウザで動作するプラットフォームになっていくと考えています。

--- オープニングセッションでは、デザインの重要性について説明がありました。データベース開発者が使うFileMakerプラットフォームのインターフェイスの向上と、データベースを使うユーザから見たデザインの良さということですね。

ルケイツ もちろんそうです。そしてもうひとつ、デザインがしっかりしているデータベースはパフォーマンスも高くなります。テーマやスタイルは、美しさだけでなく、レイアウトのレンダリングにも影響を及ぼします。このようにデザインがデータベースに密接に関わっているからこそ、バージョン13ではこれを重要視しているのです。

エプリング バージョン12でもすでにデザインについては重視していましたし、これからも注力していきます。

--- WebDirectが登場したことで、クライアント側はFileMaker ProとFileMaker Goに加え、Webブラウザという選択肢が増えます。FileMakerの使われ方は変化するでしょうか。

ルケイツ FileMaker ProとFileMaker Go、それぞれのネイティブコードを使うことによるパフォーマンスの高さや機能の豊富さはもちろんあります。一方で、新たにWebDirectを使い始めるお客様もいると考えられます。これは私たちにとってはうれしいことです。iOSデバイスのFileMaker Goという新しいプラットフォームが登場したことによって、もともとFileMakerを使っていた方が新しい使い方をしたり、これまでFileMakerを使っていなかった方が新たに導入したりする事例を多く見てきました。同じことが、WebDirectにも起きると考えています。

--- 今後はますますモバイルでの使用が加速していくと思われます。動作の高速化や通信量の減少につながる開発のヒントを教えてください。

ルケイツ 基本的な戦略は、効率的なWebアプリケーションを開発するのと同じです。シンプルなユーザインターフェイスにする、グラフィックもテキストも軽くする、データを小さなチャンクにして取得する、などです。また、ファイルをデバイスにコピーしてローカルで使い、後で同期するという方法もあります。

--- 日本市場でさらに成長すると考えられる分野と、今後重点的に実施していく施策はどのようなものでしょうか。

エプリング FileMakerは小規模なユーザからエンタープライズの中のワークグループに適したツールであるという姿勢に変わりはありません。あらゆる業種で使っていただけると自負しており、それもこれまでと同じです。とは言え、日本では特に医療分野で大きな成功を収めており、これを基盤としてさらに広めていけると考えています。ほかには、教育、法曹などのマーケットも有望な分野でしょう。 お客様や導入を検討している方々に向けて、これまでにも実施してきたセミナー、トレーニング、Webで配信するセミナー、イベントなどにさらに力を入れていきます。デモで「こんなことができるんだ」ということを見ていただくのが最も理解を深めますし、導入にもつながります。事例やサクセスストーリーをどんどん見ていただきたいですね。私たちももっとサクセスストーリーを集めて皆さんと共有していきたいと思っています。