株式会社マイナビ 業務システム統括部 薄井照丈

株式会社マイナビでは、メールサイズやアカウントの増加などの要因により生じるサーバー容量の問題を解決するために、2013年初頭より「 Google Apps 」を導入している。

このシステム移行に際して行われた業務システム統括部の奮闘について、先日の記事の中で紹介した 。ただ、要件の一部に「 Google Apps 」では対応しきれない部分があった。

テープメディアからクラウドへ。アーカイブの手間とコストを削減

切迫するサーバー容量の問題を解決するために、マイナビはシステムを自営からクラウドに移行することを決定し、そのサービスとして「 Google Apps 」を選択した。臨機応変に対応できるリソース、「Google グループ」を利用したグループメールなど、マイナビの求める要件に当てはまる部分が多かったからである。だが、どうしても「 Google Apps 」だけでは対応しきれない部分があった。

例えば、万が一に備えてメールは常にアーカイブ (バックアップ) を取っておく必要があり、いざという時には、膨大なデータの中から素早く検索できなくてはならない。勿論、「 Google Apps 」にもオプション機能としてアーカイブはあったが、日本語検索ができないなどの点で要件を満たしていなかった。

「以前、システムを自営で行っていた時は、テープメディアでバックアップを取っていましたが、管理が大変で保管場所にも苦労しました。検索しようとしても、いちいちメディアから戻さなければならないので時間も手間もかかります。はっきり言って、あんなことはもうやりたくなかったのです」 (薄井氏)

これに加え、セキュリティを高めるために、メールの暗号化や誤送信を防ぐための機能を持つサービスを探していた時、「 Google Apps 」の代理店から紹介されたものが、株式会社HDEが提供するクラウド型のメールサービスである「HDEメールサービス for Google Apps」 (以下 HDEメールサービス) である。

「 Google Apps 」と連携し、高度なメールセキュリティを実現

薄井氏によると、代理店からは「 Google Apps 」と組み合わせるならHDEのサービスしかない、くらいの勢いで勧められたとのことである。 「私もいろいろ調べてみたのですが、確かにHDEさんのサービス以外に、私たちの要件を満たしているサービスは見つけられませんでした」 (薄井氏)

「HDEメールサービス」はクラウド上で送受信全てのメールを保存する。メールそのものは勿論、添付ファイルの内容についてもスピーディな検索が可能とのことである。

セキュリティ面で特筆すべきは添付ファイルの自動暗号化だろう。「HDEメールサービス」は、メールに添付したファイルを自動的にZIP暗号化してくれる。更に、解凍用のパスワードをランダムで生成し別メールで送るなどの設定も可能だ。

その他にも、うっかりミスによる誤送信を防ぐための一時保留機能、設定したルールに基づきメールを監査などの機能もあり、マイナビが求めていた要件は「 Google Apps 」と「HDEメールサービス」を組み合わせることで、ほとんどが実現可能となった。そして2013年初頭、「 Google Apps 」への移行と同時に「HDEメールサービス」の稼働がスタートした。

HDEの手厚いサポート体制が、マイナビのサービスを支える

「HDEメールサービス」が導入されて約10ヶ月、薄井氏によると「問題は全くと言っていいほど起きていない」とのことである。

ユーザー側は、これまでと同じ環境のまま利用できるため、戸惑う事もなく利用できている。業務システム統括部が操作を行う画面も、分かりやすいインターフェイスのお陰ですぐに対応できたとのことだ。

「弊社の場合、メール配送ルールの設定項目も複雑になりがちです。その様な場合には、HDEさんにその条件をお伝えすれば設定をサーバー側に記述してもらえます。HDEさんは細かい部分まで手厚くサポートしてくれるので、非常に助かっています」 (薄井氏) ITによるサービスを提供し続けるためには、万が一にもシステムを止める事はできない。HDEは、「稼働率99.9%の保証」や「24時間365日のサポートプラン」など、サポート体制も充実している。

「もしかすると、最終的に導入の決め手となったのは、このサポートの部分だったのかもしれませんね」 (薄井氏)

スマートフォンやタブレットを活用したワークスタイルに対応したシステムに

「HDEメールサービス」は、端末からは閲覧のみとしデータを残さない「スマホ紛失対策 (デバイスセキュリティ) 」、未知の端末からのアクセスを遮断する「アクセス制限 (アクセスセキュリティ) 」など、セキュリティを確保しながらスマートデバイスを活用するための環境が揃っている。

「スマートフォンやタブレットの普及によって、ワークスタイルは大きく変化しています。これからは、そのような新しい環境に合ったシステムを考えていく必要があるでしょう」 (薄井氏)

薄井氏を始めとするマイナビの業務システム統括部は、より時代に合った使いやすいシステムを構築するために、これからも奮闘していくことだろう。その際に、HDEが提供するサービスサポートは大きな力となるはずである。