ネオマーケティングは12月2日、同社の独自調査として日本全国10都市で「全国主要10都市100地点でのキャリア別新型iPad通信速度調査」を実施し、その結果を発表した。調査期間は11月8日から24日までの17日間。

同調査は、ソフトバンクモバイルおよびKDDI(au)の「iPad Air」を利用して計測したもの。「RBB TODAY SPEED TEST」アプリを使用して各地点3回ずつ計測、その平均値を実測値としている。測定地は札幌、仙台、新潟、東京、横浜、名古屋、大阪、高松、広島、福岡の10都市。これらの都市の主要スポットそれぞれ10カ所、計100地点で計測した。

ソフトバンクが上り84地点、下り76地点で優勢

同調査の結果はつぎの通りとなる。全国平均速度ではソフトバンクが、上り13.56Mbps、下り24.62Mbpsを記録。auは上り9.45Mbps、下り19.02Mbpsとなり、ソフトバンクに大きく差をつけられた(上りでは4.11Mbps、下りでは5.60Mbps)。各計測地点においてもソフトバンクが優勢で、100地点のうち上り84地点、下り76地点でauを上回った。

今回の調査での平均速度と優勢地点数

各キャリアの最速スポットは次の通りとなった。ソフトバンクは上りの最速スポットが「新潟市役所 中央区役所(新潟)」で20.55Mbps、下りでは「東山スカイタワー(名古屋)」で50.47Mbpsだった。auは上り最速は「ナディアパーク」で15.13Mbps、下りは「名古屋大学」で50.08Mbpsだった。両社ともに下りは約50Mbpsと非常に速い結果となった。

このほか、都市別の平均速度についても、ほぼ全都市でソフトバンクが優勢だった。上り速度では全都市で、下り速度では新潟を除く全都市でソフトバンクが優勢だった。

今回の通信速度調査では、ソフトバンクがauを大きく引き離した。現在、携帯各社はネットワークの強化に注力しており、今回調査したソフトバンクは「倍速ダブルLTE」を、KDDIは「プラチナバンドLTE」をアピールしている。

ソフトバンクの「倍速ダブルLTE」は、ソフトバンクの2.1GHz帯とイー・モバイルの1.7GHz帯の「ダブルLTE」をそれぞれ下り最大75Mbpsに高速化するというもの。一方、KDDIの「プラチナバンドLTE」は、電波が回り込みやすく、つながりやすい800MHz帯を利用したLTE通信サービスだ。

同調査でも触れているが今回の結果は、各計測地点において「倍速ダブルLTE」がうまく効果したことがひとつの要因と言えるだろう。過去はユーザーのネットワークへの不満が度々話題となっていたソフトバンクだが、同社のネットワークへの取り組みが結果として現れ始めている。今回の調査においても、日本全国でソフトバンクのネットワークが強化されていることが明らかになったと言えるだろう。

なおソフトバンクでは、2014年春からは900MHz帯のプラチナバンドLTEも提供するとしており、さらなるネットワークの強化が期待されている。一方、auも他社に先行して整備を進めている800MHz帯LTEをさらに拡充。2013年8月時点で97%の全国実人口カバー率を2013年度末までに99%に拡大するとしている。今後も各社のネットワークの取り組みに注目しておきたい。