――過去の恋愛に関して男性は引きずり、女性は切り替えやすい傾向にあるとよく言われますが、それについてはどう思いますか。

そうですね。別れ方にもよると思うんですけど、女性は現実に生きていると私自身も思います。男性のそういう話もよく聞きますけど。ただ、女性は彼が忘れられないんじゃなくて、彼と過ごした時間とか彼と過ごしていた自分を忘れられないというのはあるかもしれませんね。

――雑誌『anan』によると、女性の8割が過去の男性との復活愛に憧れているらしいんですが、それは過去の思い出を大切にしているからなんですね。

人によると思いますが、若い頃の恋愛ってピュアな恋愛が多いじゃないですか。でも、年齢を重ねるうちに、いろいろと環境も変わって、あとは恋愛においていろんな条件を考えてしまったりして、人を好きになることがすごく難しくなりますよね。単純に好きになるのがそうやって難しくなっている中で、そういうものがなかった頃の自分をふと思い出すと、あの頃に戻りたいなって思う方もいらっしゃると思うんです。そんな時に、当時の彼がパッと現れたら惹かれてしまうんじゃないかなと。

――やはり、そういう運命的なものを感じると気持ちが揺れ動くんですね。ICONIQさんは復縁に否定的とおっしゃっていましたが、そういう経験がなかったということですね。

再会して冷めてしまったことはあったんですけど(笑)。むしろ会わないほうがよかったんじゃないかなって(笑)。そういう経験はありましたが、復活愛をしたことはないです。千佳とは反対で、「変わってないなぁ」だったんですよね。

――今年はドラマのほか、宮本亜門さんのミュージカル舞台も経験されましたね。演技に集中された一年だったと思いますが。

もともとお芝居はすごく好きだったので、今回いろんなことに挑戦させていただいて。今回のドラマもそうですし、ミュージカルも。表現するという部分では共通しているんですけど、ミュージカルは表現法が違うので、すごく面白くて深いなと感じました。

――現場で感じた宮本亜門さんの魅力とは?

数えきれないほどたくさんの魅力を感じていましたが、何よりも驚いたのは人を見る洞察力。別にこちらが何かを言ったわけではなく、心を読まれているような感じでした。今までお芝居をやっている中で、そこまでがっつり怒られたことはなかったんですけど、亜門さんから「今のままだと『ICONIQはただ演技がうまい』だけで終わるよ。自分を捨てろ」と言われた時に、ハッとして変わらなきゃって思いました。涙するまでそうやって怒られたことはありませんでした。

――それはどういう涙だったんですか。

自分では一生懸命やっていたつもりだったんですよ。でも、表現法が間違っていたというか、自分が空回りしていたというか。今思えば、ICONIQというものを自分では捨てられてなかったんだなと思います。舞台上で必要なのは私ではなくて、役柄の感情ですから。

――貴重な出会いだったわけですね。

そうですね。29歳という年齢でお会いできて本当によかったと思います。

――今後、「女優・ICONIQ」がどのように変化していくのかすごく楽しみです。

プレッシャーですね(笑)。がんばっていきたいと思います。

――今年も残すところわずかですが、最近クリスマスツリーを購入されたそうですね。

なんで知ってるんですか!? 一昨日買ったんですよ。すごーい(笑)。『モトカレ』の話に戻るんですけど、お部屋のシーンがあるじゃないですか。3年前の千佳の部屋はすごくきれいで、3年後の千佳の部屋はすごく汚いんですよ。ゴミも出してないですし、彼女は枯れてしまっているんです。そんなふうになっちゃいけないなって(笑)。自分を見つめなおして、きちんと季節を楽しめるような女性になろうと思ったんです。クリスマスツリーを飾るのは小学生ぶりぐらいだと思います。

――今年はクリスマスパーティーを楽しむわけですか。

そうですね。毎年、お仕事とかで楽しめてなかったので、今年は楽しみたいです。年末は…(マネージャーの方を向いて)大丈夫ですよね(笑)?

――さて、2013年はICONIQさんにとって演技の一年となりましたが、来年はどんな一年にしたいですか。

宮本亜門さんのミュージカルをやらせていただいて、すごく勉強になりました。今までと表現法が違うお芝居の仕方って、こんなにたくさんあるんだって、自分が知らない世界に飛び込んだ感じ。ミュージカルをもっともっとやってみたいなっていうふうに思うようになりました。今、とても楽しいです。