SIMフリー版iPhone購入のメリットは、主に次のようなことが考えられる。

  • メリットその1 端末を購入した後、好きな携帯キャリアと契約できる。また年契約の縛りも受けないため、適時好きなキャリアに移行可能

現在、SIMフリー版iPhoneはオンラインのApple Storeのみで購入が可能だが、この状態では携帯通信に必要なSIMがないため、国内で利用する場合には端末を携帯ショップへと持ち込んで契約を行うことになる。従来、ソフトバンクなどは海外で購入したSIMフリー版iPhoneをショップに持ち込んでも契約を行えず、仮に別途契約したSIMカードを挿入しても設定が行えないため、事実上ソフトバンクでiPhoneを利用するためには同社でiPhoneを購入する必要があった。だがApple Storeでの公式SIMフリー版が登場したことを受け、"国内で正規に購入したiPhone"という条件付きで持ち込み契約が可能になったようだ。

ソフトバンクではApple Storeで正規購入したものに限り持ち込み契約が可能とウェブに掲示

このように、ソフトバンク、KDDI (au)、NTTドコモの3キャリアについてはSIMフリー版を購入してのショップへの持ち込み契約に対応している。一方でイーモバイル(EMOBILE)については、現在iPhoneで利用されているnano SIMを取り扱っていないため、持ち込み契約には対応していないようだ。「SIMカッター」と呼ばれる通常サイズのSIMやmicro SIMの外周をカットしてnano SIMサイズに切り出すことでイーモバイル用の契約SIMを確保し、別途設定を行うことで利用できる可能性もあるが、イーモバイル公式としては現時点で保障対象外となっている。

だが今回のSIMフリー版販売開始で最も恩恵を受けるのは「MVNO」と呼ばれる、他キャリアの回線を借りて携帯電話サービスを提供する事業者だろう。MVNOの1つである日本通信は11月23日より、通話も可能な安価なSIMカードを販売しており(http://www.bmobile.ne.jp/fd/index.html)]、音声通話も含めた通信サービスを比較的安価に利用できる。そのほか、データ通信のみに特化したパッケージや、速度制限や容量制限付きながら[毎月1,000円未満で利用できるパッケージのあるIIJmioなど、用途や利用頻度に応じて最適のプランを選択できるメリットがある。もし国内利用が中心の場合、SIMフリー版iPhoneを利用する最も大きなメリットは、このMVNO利用にあると考えられる。

音声通話とデータ通信が可能な日本通信の「スマホ電話SIM」