ソニー×フジテレビジョン「CON-NECT つながる・広がる」

学生を集めてソニーとフジテレビジョン(以下、フジテレビ)をめぐるバスツアー企画が開催されたことをご存じだろうか。両社とも押しも押されぬ有名企業、でもなぜそんな企画? どんな関係が? 気になるツアーに潜入してきた。

午前中はソニー本社へ 最新の技術に触れることができる

「CON-NECT つながる・広がる」という今回のバスツアー企画に集まったのは理系大学生30名。午前中はソニー、午後はフジテレビの見学に行き、普段接することのできない企業の裏側を覗けるというなんともぜいたくなツアーだ。なぜこんな機会を提供してくれるのだろうか。

ソニー本社のエントランスは広々としている

学生のときに堂々と受付前を歩ける機会もなかなかないだろう

「学生さんは、弊社のコンシューマー向け製品はよく知ってくれているのですが、実は企業向けに提供している放送用・業務用機器もたくさんある、ということはあまり知られていなくて…。幅広く仕事のことを知る機会を提供するために、フジテレビさんと一緒にツアーを企画することになりました」と、お話してくれたのはソニー 人事部門 新卒採用グループ 採用部 アシスタントマネジャーの小山さん。企画の成り立ちはわかったけど、どうしてフジテレビさんと一緒に…?

残念ながら、社内は最新技術に関わるので撮影できず…ソニー人事部のみなさんの笑顔をお届けします

ソニー×フジテレビ、気になる関係は!?

「実はフジテレビさんには、うちで作っているカメラを納品しています。カメラには技術サポート部署の電話番号も書いてあって、カメラマンさんと弊社の技術職が直接やりとりすることもあるんですよ。製品自体も、現場の方と一緒につくりあげることもあります。例えばカメラのフォーカスをするノブ。これは通常、後部につけているのですが、フジテレビさん向けの製品は、特別にノブを横につけています。午後にぜひ見てみてください」

映像がどのカメラで撮られているかなんて今まで考えたこともなかったが、そういわれると関係性がよくわかる! 一般向け製品では難しいような現場向けカスタマイズもできるなら、企業向け製品の方が合っている気質の人もいるかもしれない。

みんなでごはん。理系だらけなので「何の研究をしてるんですか?」と話も弾む

「午前中にうちの製品を一通り見てもらって、午後にフジテレビさんの技術職の仕事を体験することで、どういう製品がどこで役に立っているのか、よくわかるのではないでしょうか」

社内を見学させてもらった学生たちは最新の技術に触れ、とても感動した様子。ランチを食べながら、お互いに自己紹介をしたり感想を話しあったりと、参加者同士交流も深めていた。中にはこの日のために岩手から来た方も! 憧れのソニーの内部に入ることができて感動した様子だ。

品川からお台場へ、バスで移動

午後はフジテレビへ!

お台場のフジテレビジョン

昼食が終わると、バスに乗り込み一行はお台場へ。まるで修学旅行のような和やかな雰囲気だ。フジテレビに着くと、最初は簡単に技術職の仕事は何なのか説明を受ける。回線管制部、制作技術部、報道技術部、映像部などの社員の方がそれぞれの仕事について教えてくれた。テレビの技術職が理系の方、というのも少し意外だったが、放送の技術について説明を受けると、機械と共に働く仕事だというのがよくわかる。

「TV局の技術といっても、漠然としていてわからないと言われることが多いんです。何か作ったり、研究したりということではなく、機材に自分たちの色をつけて使っていくというのが一番近いかもしれません」と語ってくれたのはフジテレビジョン 人事局人事部 矢野さん。

「ソニーさんにはカメラも作ってもらっていますし、報道用システムの開発も行ったりと、一緒に戦えるものを作っていくパートナーと言えますね。こういうイベントは新しいと思いますし、私たちにとっても面白いです」

まるで歌番組の撮影

説明を受けた学生たちは、ふだんから見ている番組の裏側やセットなどを見学しつついよいよスタジオへ。午前中に見たカメラに加えて、音声、照明、VE(ビデオエンジニア)、スイッチャ―の社員からそれぞれの仕事のレクチャーを受ける。こんな風にプロの機材に触れる機会はなかなかないだろう。

照明、音声、VE、スイッチャーについてもレクチャーをうける

4グループにわけてそれぞれの仕事を覚えたら、渡されたのはカラオケの曲のリスト…1つのグループがスタジオで歌っている映像を、他のグループが撮影し、実際に映像にしてしまうのだ。これはまるで生放送の歌番組撮影のよう。

撮られる方も緊張の面持ち

「君はあの人を抜いてみようか」などプロのアドバイス

出来上がりははたして…?

カメラ3名、音声、照明、スイッチャー各1名の撮影体制で挑む学生たち。歌うグループが選んだ曲にあわせた照明や、撮影の仕方を考えて映像をつくっていく。「踊る曲なら、足から入って全身を映していくのもいいね」「バンド曲は動きが少ないので、ピントを照明に合わせていって徐々に人にフォーカスしていくとかっこいいよ」などアドバイスをもらいながら、全グループが撮影終了。学生たちは満足した様子。この映像が、この後の懇親会で流されることも知らずに…。

おわかりだろうか…そう、このグループはEXILEになりきった

モニターで見ると、それっぽい! いいカットが撮れていると、裏では感嘆の声が上がる

こうして1日かけたツアーは終了。カメラ機材の最新技術から、実際に機材が使用される現場まで体験したことで、製品の流れや仕事の内容をイメージできたのではないだろうか。こんな素敵な機会があれば会社の選び方も変わってくるし、社会人になってからも仕事へのイメージがついた状態でスタートを切れるだろう。少しうらやましくも感じた。