街路樹がほんのり色づいてきた11月初め。いつもの公園にて、「もみじ狩りにはまだ早いかしらね~」と、「ママ友」たちがお出かけの話題で盛り上がっていた。「もみじ狩りのおすすめはどこ?」「紅葉の見頃はいつ?」など、「ママ友」同士で次々に疑問が。そこで、ご近所の主婦を(勝手に)代表して、紅葉の下見に行くことにした。

色づき始めた首都圏の紅葉。そろそろ見頃を迎える!?

「ママ友」の要望に合いそうな場所を求め、上野公園へ

現在、紅葉の名所は気温の低いエリアから順に見頃を迎えつつある。とはいえ、まだ紅葉していないスポットも少なくない。

たとえば関東なら、日光や谷川岳などの山間部は先月から見頃に突入しているが(中にはすでに落葉し始めたエリアも)、さすがにご近所からは遠い。子供たちとお出かけしたいママさんたちにとっては、もう少し気軽なスポットのほうが良さそうだ。

そこで、「子供連れで楽しめる場所」をキーワードに、都心部で目的地を絞り込むことにした。下見の時点で紅葉の最盛期を迎えているのでは本末転倒なので、「色づきはじめ」という状態のスポットを物色してみた。その結果、決まった行先は都立上野恩賜公園。動物園や不忍池で知られる、あの上野公園だ。行楽スポットとしてはちょっとベタだが、紅葉という観点では意外と新鮮!?

公園口から動物園へ至る歩道では、イチョウやケヤキなどが見られる。下見の段階(11月初旬)では、「一部、黄色・オレンジ色がかってきたかな…」という状態だった

花見で有名なサクラ並木。秋の紅葉もなかなかのものだという

1631(寛永8)年に建立されたという清水観音堂とモミジ

JR上野駅公園口、または上野恩賜公園第一駐車場を出ると、もうそこは上野公園。ご近所のファミリーはクルマで出かけたい様子だったので、ちょっと調べてみたところ、週末でも朝9時すぎなら空車の可能性があり(第一駐車場のオープン自体が午前9時なのだ)、近隣にも大きなパーキングが数カ所あるという。

公園口から動物園表門へ向かって歩くと、早速、園内に約380本あるというイチョウや、約400本というケヤキがお出迎え。やがて花見のニュースなどでたびたび目にする、約1,200本のサクラ並木が現れた。秋にはその葉を赤く染め、人々の目を楽しませてくれるという。そのまま京成上野駅方面へ桜のアーチの下を進むと、国指定重要文化財の清水観音堂をモミジが彩っていた。

ボート乗り場で、冬の渡り鳥たちとも出会える

紅葉を愛でながら子供と遊ぶなら、不忍池でボートに乗るのが楽しそう。池周辺には広葉樹が多く、上野の山も見渡せる。

ボート池では、小さなカモ類のキンクロハジロが愛嬌をふりまいていた

不忍池から上野の山を眺める。もうすぐ池のハスが枯れ、弁天堂付近や山が色づくだろう

色づいた葉とオナガガモのメス。オスはもっと派手な色彩で、名前の通り尾も長い

この季節ならではのお楽しみといえば、越冬のために池を訪れているかわいらしい野鳥たち。東京都の鳥であるユリカモメや、何種類ものカモ類が目立つ。水鳥は小鳥と比べると見やすい大きさで、動きもゆったりしていて、バードウォッチング入門に最適。れっきとした野鳥だが、人に慣れているのか、近くまで寄ってくることも多く、たまたま通りがかった子供たちも大興奮だった。

もちろん動物園や博物館で遊ぶのもアリ!

さて、今回はあくまで紅葉の下見ということで、ここまで取り上げていなかったが、上野まで来て動物園や博物館に寄らないなんて、きっと子供が許してくれないはずだ。動物園の敷地内でも、イチョウやカツラなどの紅葉が見られるので、子供の機嫌次第で動物園に直行するのもいいかもしれない。

両生爬虫類館前にあるカツラの木々は、すでにオレンジ色をまとっていた

カツラの近くでは、めったに動かないと話題のハシビロコウが注目の的に

ジャイアントパンダ、キリン、ゾウ、ライオン……。上野まで来たからには、やはり人気者に会わずには帰れない!?

ちなみに現在、国立科学博物館では、男の子たちに大人気の「大恐竜展 ゴビ砂漠の驚異」も開催中(2014年2月23日まで)だ。館内には、あの上野精養軒が手がけるファミレスもあるので、食事も兼ねて入館するのも「アリ」だろう。

結論として、上野での下見は大成功。もともと有名な観光地だが、秋の季節もまた、もみじ狩りからアクティビティまで、子供も大人も一緒になって楽しめる行楽スポットであることを再確認できた。