デルが9月26日に発表した「Inspiron 14 7000」は光学ドライブを非搭載とした、14型のモバイルノートPCだ。重量はタッチパネル搭載モデルで1.99kgと、常に持ち歩けるマシンとは言い難いが、厚さ15.3mmのフラットなボディは数値以上にスリムな印象を受ける。

さて、Inspiron 14 7000の発表会において同社は「コードレスパソコン」というコンセプトを掲げた。コードレス、微妙に懐かしいフレーズだが、Haswellをはじめとする最新コンポーネントがもたらす長時間のバッテリ駆動と、Wi-FiやBluetoothによるケーブルからの解放を、PCの性能に興味がない層にもわかりやすく訴えるキーワードとしては有効といえるだろう。

事実、Inspiron 14 7000はホームユースにおけるメインマシンとしての利用を想定している。ここではひとまずコードレスというキーワードを置いて、いつもの本誌ようにハードウェアの構成や使ってみたインプレッションについて語っていこう。ホームモバイル用途に向けた14型ノートPCとして、コンセプトうんぬんを抜きに、素で見てなかなか良好な仕上がりなのだ。

■[製品名] Inspiron 14 7000 プレミアム フルHD 主な仕様 [CPU] Intel Core i5-4200U (1.6GHz) [メモリ] DDR3L 1600 6GB  [グラフィックス] Intel HD Graphics 4400 (CPU内蔵) [ディスプレイ] 14型ワイド液晶(1,920×1,080ドット、タッチパネル) [ストレージ] 500GB SATA HDD [光学ドライブ] 非搭載 [サイズ] W345×D240×H15.3mm [重量] 約1.99kg [バッテリ駆動時間] 最大9時間 [OS] Windows 8 64bit [直販価格] 99,980円 (11月7日現在、キャンペーン適用価格)

なお、今回のテスト機は「プレミアム フルHD」モデルでスペックと価格は上記の通りだ。Inspiron 14 7000のラインナップはこのほか、Core i3-4010Uを搭載したノンタッチ仕様のベーシックモデル(69,980円)などがある。

好感の持てるシンプルデザイン

シルバーで統一されたデザインはいたってシンプルで、アルミ削り出しによる設計はモノとしての存在感を必要以上に誇示しない品の良さがある。グレーとシルバーのツートン的なデザインのInspiron 14Rや、プラスチック感のあるInspiron 14に比べ、かなり洗練された印象だ。

Inspiron 14 7000に搭載されているCore i5-4200Uのように、末尾に「U」の付くHaswell(開発コード名)は、チップセットを一体化させた新パッケージのCPU。ソケットにピンを差し込むのではなく、ボール状の電極をマザーボードに直付けする実装方式を採る。そのほか、HDDには5mm厚のものを搭載するなど、薄型化に適した最新パーツをタイムリーに起用していることがうかがえる。

リビングに置いても浮かないシンプルなデザイン

"ダイヤモンドカット"を施したエッジがデザインのアクセントに

横に2本あるグレーの棒状部分はゴム足。それ以外は、凹凸や仕切りのない流行りのデザインだ

少々勇気がいるが、ネジをはずして隙間にプラスチック製の工具などをテコに挟めて開けることができる。左下が5mm厚HDD。メモリは固定。マザーの裏面にmSATAスロットがあるらしい

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