2014年初夏に公開が予定されているCGアニメーション映画『聖闘士星矢』の企画製作発表会が1日、東京・秋葉原UDXで開催中の「魂ネイション2013」内で行われ、さとうけいいち監督、東映アニメーションの浅間陽介プロデューサーが登壇した。

東映アニメーションの浅間陽介プロデューサー(左)、さとうけいいち監督

1985年から1990年にかけて『週刊少年ジャンプ』(集英社刊)にて連載された車田氏原作の『聖闘士星矢』は、ギリシャ神話に由来したファンタジックな設定や星座をモチーフにした聖衣(クロス)が当時の少年少女の心を掴み、TVアニメ放映は漫画連載から9カ月後という異例の早さでスタート。魅力的な登場キャラクターと聖闘士(セイント)の多彩な必殺技が多くのファンに根強く愛され、80年代後半を代表する名作となった。今回の劇場版は「車田正美・熱血画道40周年記念映画」として、原作者の車田正美氏が製作総指揮を担当。タイトルも車田氏が命名し、非常に人気の高い「聖域十二宮編」が3DCGアニメーションでの映画化される。

浅間プロデューサーによれば、本作の企画は2007年にスタートしたといい、オファーを受けたさとう監督は「あの"十二宮"をやってくれと言われて、最初はためらいました」と、作品と物語の大きさに気圧された当初を振り返りつつ、「家族で見てもらう作品にするために、何を重視して、どのようにみんなにお腹いっぱいになってもらうか、車田先生とディスカッションを重ねながら考え抜きました」と明かした。

展示されていた『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』版のペガサス星矢(左/参考出品)と『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』版のサジタリアスアイオロス

劇場版のタイトルロゴ、聖衣(クロス)のボックス、ペガサスの聖衣などを映像で紹介しながら進行していく中で、さとう監督は「聖衣デザインはメカっぽくなってはいけない、神々しさを出すことを考えています。聖闘士たちの小宇宙(コスモ)をどう表現するか、今までの作品とは違う表現を追求しています。テレビでは見られない表現方法を120%兼ね備えている。映画ならではのカタルシスを劇場で感じてほしいと思います」と説明。また、本作の舞台となる聖域(サンクチュアリ)については、「映画を見たら、行ってみたい! と思える映像体験」と自信を覗かせた。

全編が3DCGで制作されることについては、「CGだから時間と手間をかければどんどんリアルにはなるんですが、僕が目指したかったのは"フィギュア的"な表現。モーションキャプチャーではなく、アニメらしいハンドメイドにこだわっています。キャラクターとしての元気さや表情を作り込んでいます」と、あくまでCGを手段のひとつとし、うまく利用しながらアニメならではの表現を模索していることを強調した。

トークのラストでさとう監督は「発表から2年少し、皆さん期待と不安があると思いますが、裏切らない映画になっています。ぜひご家族で、一人でもいいので、壮大な世界観の中で少年たちが繰り広げる戦いを見届けてください。CGにしてよかったじゃないか! と思ってもらえる、見たことのない世界を楽しみにしてください。ハードル上げていただいていいです」と締めくくった。

フィギュアシリーズ『聖闘士聖衣神話』10周年を記念して制作された純金製オブジェ。時価6,000万円

なお、超合金を中心とした新商品やさまざまな展示物が楽しめるバンダイの「魂ネイション2013」は11月1日~3日、秋葉原UDX 2F AKIBA_SQUARE/4F UDX GALLERYで開催中。会場では『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』の特報ムービーが流れ、『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』版の星矢、アイオロスの特別展示も行われている。

『聖闘士星矢 LEGEND of SANCTUARY』メインビジュアル